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檀家制度とは?檀家総代は何をする人?

檀家制度という言葉を今まで聞いたことがないという方も多い現代の社会において、特に若い方にはあまり知られていない制度かもしれません。そして檀家には檀家総代という人がいますが、実際に何をする人かよくわからない中、今まで檀家として寺院の行事などを支えてきた父親などから檀家を引き継いでほしいなどの相談を受ける方もいます。そのようなときに、檀家に関して全く知らないということのないよう、事前にある程度 檀家制度や檀家総代などがどのような役割があり、どのようなことをするのかなど知っておくと便利です。ここでは、檀家制度とはどのようなもので、実際にどんなことをしているのか、檀家制度の歴史や一般的に檀家総代とはどのような内容の役割があるのかなどをご紹介したいと思います。

檀家制度始まりの歴史

檀家制度は江戸幕府がキリスト教禁制を徹底させるために始めた寺請制度がその始まりと言われています。寺請制度とは江戸幕府が宗教統制の一環として設けた制度で、幕府や寺院にキリシタンでないことを証明させる制度でした。この際に発行された証文を寺請証文(てらうけしょうもん)または寺請状(てらうけじょう)、宗旨手形(しゅうしてがた)とも呼ばれています。この際、人々は必ず檀那寺に所属し、檀家とならなければならず、寺院はその檀家の出生・死亡・移転・婚姻・奉公など生活全般に関して管理をし、戸籍事務を扱う一種の役場的役割をしていました。

 

檀家とは?

現在の檀家は昔のように必ず国民が入らなければならないものではないので、先祖代々から伝わるお墓がある人々が代々檀家を務めている場合や、新しくお墓を寺院の中に持つ人、お葬式の際に寺院から住職に来ていただいた場合などに檀家となって、ある寺に永続的に関係をお願いする家の事を言い、その寺に対し、お布施や寄付をしてお寺の経済的支援や運営を援助する家の事をです。そして檀家が寺院を支えることにより、寺院からは檀家に対し、お葬式の際の供養や年忌法要、お盆、お彼岸などの一切の葬祭供養をその寺院に任せることが出来ます。

檀家総代とは

壇家総代とは壇家の皆さんのリーダー的な人であり、その呼び名も宗派や各お寺などにより「世話人」「世話役」「護持会役員」などの独自の名称があり、きちんと役割・責務の区分があるお寺もあれば、そうでないお寺もあります。通常複数名で構成されているのが一般的で、そこに権限や総代の選出方法などの決まりはなく、お寺ごとに、独自のルールに基づいて決定しています。通常あまりないですが、檀家さんの中で責任役員という役員になられている方がいる場合はお寺の事務について決定する権限があります。これは総代とは違い、宗教法人法で決められていますので、どこの宗教法人でも定められている役名です。

壇家総代は何をする人?

檀家さんの代表として住職との話し合いの場を設けたり、皆様の声を運営に反映させることが総代の役割といえるでしょう。細かい事をあげますと、お寺での行事のお手伝い(お彼岸やお盆の準備)やお寺からの案内を壇家の皆さんに配ったり、お寺の管理費などの収集のお手伝いをしたりその内容は多岐にわたります。

壇家総代の選出方法もお寺により異なりますが、一番は先祖代々からの関係がある家の方がなったり、地域により一人ずつ代表を出して管轄したり、投票制をとっていたり、何年かに一度順番で回ってきたりとその選出の仕方はお寺や寺院により様々です。

現代の檀家事情

檀家と菩提寺の関係は常に土地に根差しています。その土地にあるお墓に眠るご先祖様や故人の霊を菩提寺として供養を行い檀家たちはそのお寺を守ってきた存在といっても良いでしょう。しかし、現在では核家族化や都市への人口移動などが多く、地方のお寺のご先祖さまが代々続けてきた壇家と菩提寺の関係が疎遠になって、葬儀を執り行う葬儀社が故人を供養するための僧侶を手配する、という現象は一般化しつつあります。人々の死生観や宗教感も大きく変容していきました。しかし、お寺はいつでも私たちの身近な存在であり、代々続いてきて、これからも続いていくための共通の場所であります。親戚など疎遠になっている人たちとも法要の際などにはみんな一緒に集まらせてくれる場所です。檀家制度やお寺は現代の人々の生活スタイルに合わせ徐々に変わりつつあるともいえるかもしれませんが、形を変えてもお寺を守っていくという檀家の皆さんの気持ちは変わらないのではないかと思います。

最後に

日本人の宗教に対する考え方は様々ですが、あまりこだわらないという人が増えていることは確かです。自分は無宗教だと言っているけれど、死亡したら僧侶に読経をしてもらい、お墓に入ると思っている方が多いのが現状ですし、仏教徒でもクリスマスにはツリーを飾りキリスト教のお祝いをします。結婚式でもキリスト教ではなくても教会で式を挙げるカップルは多いです。外国人から見るとこの現象はとても不思議なものであるようです。日本人として今後どのように宗教と向かい合っていくかを考え直す必要があるのではないかと、今一度考えてみる良い機会かもしれません。

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