スポンサーリンク



檀家をやめる時にする3つのこと

近年は少子化や核家族化といったことが進みさまざまな事で縮小化や簡素化が進んでいるように感じますが、弔事に関しても影響が進んでおり、葬儀にも「家族葬」などという親族や家族の身で行う新しいタイプの葬儀のスタイルやお墓も宗派などを問わない民間の霊園などを選択する人々が年々増加しています。先祖代々よりお世話になっているお寺などともだんだん疎遠になってきているし、檀家料やお布施など費用もかかるので檀家を辞めたいと考える方が増えているようです。ここでは檀家をやめる利点やデメリット、そして檀家をやめるときにはどのようなことをするのかなどを詳しくご紹介したいと思います。

檀家をやめる利点と難点

先祖代々よりお世話になっているお寺の檀家をやめるということに関しては、簡単に「檀家をやめます」といってやめられるものではなく、さまざまな手続きを行ったり、「離檀料」という檀家をやめるためのお布施を請求されたりするなど、簡単にやめられるものではないようです。反対にやめてしまうと今後のご先祖様や故人の法要はどうすれば良いかや、今までのお墓はどうしたらよいか、という事も問題になってきます。まずは檀家とはどのようなもので、檀家をやめる利点や難点(デメリット)など、順を追ってみていきたいと思います。

そもそも壇家とは?

壇家とは、家の誰かが亡くなると先祖代々お世話になっているお寺さんに葬儀の際にお経を読経してもらったり、お墓の管理を代々していただいているお寺を利用してお布施などを支払い、そのお寺を支援・援助する家の事を言います。そして、檀家になっているお寺の事を菩提寺(ぼだいじ)といいます。壇家制度は江戸時代の宗教統制が行われた際に法的に制度化され、誰もがお寺の檀家にならなければならなかったことから現在の壇家制度は残っています。現在はそのような法的制度はないものの、昔の習慣や風習などが続いており、寺院の権限などは昔のようにないですが、葬儀や年忌法要、その他の法要、お墓の管理などはその家の菩提寺に委託することが多いのが事実です。

何故壇家をやめたい家が増えているのか?

前にも述べた通り、現在は昔のように一つの家に何代も住み続けるということも極端に減っており、子供たちも大きな都市へ移り住んで行き、「家の後を継ぐなど考えもしない」という事がほとんどです。そんな中で壇家を辞めたいと思う理由もさまざまですが、一番の理由は経済的に大変だからということが多いようです。具体的にどのような費用が掛かるかというと年間に支払う管理費(護持会費や灯明代)やお寺の修繕などがあった場合はその都度、寄付の要請が来たりします。金額もお寺により変動があり、お寺の管理も含むまたは含まないなどによっても変わってきます。他にも下記のような理由から壇家を辞めたいと思っている方がいるようです。

  • 菩提寺とも疎遠になっているのに毎年の費用や修繕費、を払いたくない
  • お寺の住職の方とうまくいっていない(壇家関係がわずらわしい)
  • 戒名料や塔婆代、各読経代など、いい値で提示されるので適正なのかわからない

その他にも様々な請求が来たりするので壇家をやめたいという事が多いのが現状のようです。しかし、壇家をやめるのにも不安があることは間違いないようです。

檀家をやめる利点

一番の利点は継続的な菩提寺への寄付(支払い)が必要なくなります。そして住職の方ともかかわりが亡くなり、経済的や気分的にかかる負担が減ることになります。ただし、壇家をやめる際に菩提寺ともめてしまったり、「執拗に引き留められてしまう事があるのでは?」という不安があったり、その他 高額の離檀料を請求されたり、今後の法要はどうしたらよいかなども悩みとなってきます。

壇家をやめる難点(デメリット)

壇家をやめるデメリットとしては、一般的に菩提寺の僧侶は檀家の方々以外に対し、法要を行ないません。もしも壇家以外で法要をする場合は壇家の方の法要が優先されると共に、法要の料金も壇家の方々より高額になります。他にはお墓も菩提寺にあるようであれば、壇家をやめることはお墓の移動も行う事になりますし、代々伝わるお墓などの場合、ご先祖様に悪いのではないかなどという周りの親戚などの声も出てきます。ご近所で皆同じ菩提寺を使っている場合なども同等です。すでに菩提寺のある実家には誰も住んでいないし、壇家を引き継ぐ跡継ぎもいないなどであればお墓も自分の住んでいる近くに移すつもりであるなどの場合以外は費用の面なども相対的に見て(お墓を移すことなど)考えると良いでしょう。

壇家をやめる時にすること

最終的に壇家をやめる事を決断した場合、どのような事をすればスムーズで円満にやめることが出来るのでしょう。

●まずは菩提寺の住職に檀家をやめたいことを相談することから始まります 

壇家が減るとお寺の運営も厳しくなりますので、出来れば納得いく理由が必要です。突然やめますと一方的に伝えるのではなく、両親が亡くなり自分自身が実家に住んでいるわけではないので、お墓を現在自分の住んでいる場所へ引っ越ししたいと思っていることや実家の宗派と嫁ぎ先の宗派が違うので宗派を嫁ぎ先と同じに変更しなければならないなどの理由を述べると菩提寺側も納得をせざるを得ません。

●話がまとまらないようであれば、本山や自治体の相談窓口に相談してみる 

菩提寺側でやめられては困るなどの理由で改葬の承諾を得られない(埋葬証明書を発行してもらえない)。などのトラブルになった際には思い当たる場所には相談さて見ることをお勧めします。高額な離壇料などを請求されて、支払いが出来ないようであれば埋葬証明は発行できませんなどといってくるお寺もまれにあるようです。離壇料は法律などで定められた支払いが必要なものではありません。今までお世話になったというお布施の一環です。

●改葬(墓じまい)の準備

新しい墓地を決めお骨の受け入れ書を作成してもらったり、改葬許可証の申請受け取り、埋葬証明を元々の墓地の管理者より発行してもらいます。この埋葬証明は通常、菩提寺という事が多いので、そこでトラブルになる可能性もありますので、事前に菩提寺に壇家をやめる意思があることを相談をし穏便に話が進むようにしたいものです。

最後に

檀家をやめたい場合、改葬を行う手続きは複雑な書類や話し合いが必要な事もあります。すべて自身で進めることは難しいと感じる場合などは行政書士に代行を依頼することも可能です。壇家をやめることにもかなりの費用が掛かる可能性が在りますので、よく検討してからの判断をすることをお勧めします。

スポンサーリンク