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【御霊前・御仏前】弔事にお花を贈る時のマナーと相場

世界の歴史を見てもお花は様々な場面で使われ、慶事、弔事ともになくてはならない存在です。弔事の際は、お通夜やお葬式、法事など様々な場面でお花が使われます。生前お世話になった故人の方に御香典だけではなくお花を贈り、残されたご家族にもお花で癒しや悲しみを和らげていただきたいという想いで贈るお花もマナーに気遣い贈らなければ、故人の親族の方に迷惑をかけてしまったり、失礼になってしまうという事にもなりかねません。ここでは、そのようにならないために御霊前や御仏前、弔事の際にお花を贈ることに関して最低限のマナーやその相場をご紹介したいと思います。

御霊前とは?

死んだ人を敬(うやま)わってその霊前を言う語で、仏教の教えでは、人の死後~四十九日までの間は、人が死んでから次の生を受けるまでの間を指す「霊」として考えられており、霊である魂をこの世で静め、死者があの世へ旅立つ期間、もしくは死者が仏になる準備をするなどと解釈されています。そのため、霊を信じる宗派の場合は、四十九日までの間は、御霊前と考えるのが一般的です。浄土真宗、などに関しては、「御仏前」を用います。

御仏前とは?

御仏前とは、一般に忌(き)明け(四十九日)の後に使い、霊である旅を終え、仏様となった時からこの御仏前という言葉を用いられるようになります。仏前を敬(うやま)わっていう言葉で、仏前にお供えする香典や供物(くもつ)の上書きにする言葉を御仏前と言います。

弔事にお花を贈る場合の用途と意味

枕花(まくらばな):

枕花とは亡くなった方の枕元に飾る花で、主に親族や生前故人と親しかった人が訃報の連絡を受けてから追悼の意を込めて贈る花です。

供花(きょうか):

故人にお供えする花のことで、祭壇の脇に飾ります。故人の遺族や親族、生前故人と親しかった友人、故人の務めていた会社や職場などから贈られます。また、遠方で式に参加できない方からも贈られることがあります。故人の供養とともに祭壇や式場を飾る目的があり、1つを一基と呼び、2つで一対になります。一基贈るか一対贈るかは宗教や地域の習慣によっても違いがありますので、遺族の方や担当の葬儀屋さんへ確認するようにします。いづれにしても一基贈るか一対贈るかの決まりはありませんので遺族の方などに相談後、決定されると良いでしょう。

花輪:

供花も花輪も内容的には同じ故人にお供えするお花の事ですが、白黒を基調としたもので葬儀会場に飾られます。供花は祭壇の横、花輪は式場の外に飾るとイメージしていただければわかりやすいと思います。花輪は通常、親族や勤務先、会社関係の取引先など、法人・団体が用意します。弔事用の花輪については、地方ではまだ使用されることが多いですが、都市部では大型の花輪については使用できない(斎場によって)ことがあり、式場内の祭壇に飾る小型の生花台(盛り花)や供花に限られることもありますので、事前に斎場などに確認が必要です。

※花輪も地方や地域によっては大きさや形、一基、一対の送り方が決まっている所があるので一緒に確認しましょう。

花を贈るタイミング

枕花(まくらばな):

訃報を受けてから速やかに用意します。お通夜前日からお通夜に合わせて届けても良いです。遠方ですぐに駆け付けられない場合などは、花屋さんから送るか弔問(ちょうもん)の際に持って行きます。

供花(きょうか):

お通夜や告別式を自宅でする場合、供花はお通夜の日の午前中に届け、告別式に供花を贈る場合は前日までに届けるようにしましょう。お通夜と告別式が別の会場の場合、斎場にもよりますが、統一感を出すために外部からの供花を受け付けないことがありますので、事前にお葬式の案内状に書かれている斎場に連絡して取りまとめている葬儀屋さんなどの連絡先を確かめる、もしくは遺族と親しければ直接確認するなどして贈ります。

花輪:

基本的には供花と同じですので、葬儀屋さんもしくは遺族の方と連絡を取って下さい。

贈る花の種類とマナー

枕花(まくらばな):

基本的には白を基調に淡い花などを織り交ぜてつくります。枕花であることを生花店に伝え、相談すると間違いのない素敵な枕花を用意してもらえます。飾りの手間がかからず、持ち運びにも便利な籠などに入ったアレンジメントフラワーを贈る方が増えています。送り主の名前やメッセージなどのカードを添えて贈ります。

供花(きょうか):

供花の色は白が最も多く、落ち着いた色が選ばれます。個人で贈る場合は生花店へ相談すると予算や葬儀に見合ったものを用意してくれます。斎場で決まったものを出す場合は葬儀屋さんに連絡をし、花に添えるお札に書く名前を伝えます。個人で出す場合は個人名、会社としてだすのなら会社名+代表者名、友人など数名でだすなら「~一同」と付けます。

花輪:

白黒を基調に装飾したものに白を基準に差し色で紫や黄色で造られ、場合によっては造花も多く使われます。全体の見た目なども大切なため通常は葬儀屋さんの方に連絡を取りお願いします。大きなリング上の花飾りに、芳名名札や布に送り主の名前を書いて送ります。キリスト教の場合、花は使わないため花輪はあまり使われませんが、キリスト教の方に送る場合はすべて生花で造り送ります。

※マナーとしては、トゲのある花(バラなど)は血を流すという事などから基本的に使いません。バラが故人の特別に好きだった花だったりする場合は遺族の方に確認し理解が得られたうえで贈られる場合は良いとされます。いづれにしても花の色や香りが強いものなどは控えるようにすることがマナーとなりますので、よくわからないという方はフラワーショップの店員さんなどに相談することも可能ですので、親戚や友人、会社関係者などとして、恥ずかしくないお花を贈るようにしましょう。

キリスト教式の弔事における花を贈る場合

日本では、仏式、神式の宗教を信仰している方が多く、その後にキリスト教式となります。宗教によって執り行われる儀式やお花の出し方、種類なども変わってきますので参考にしてみてください。

枕花(まくらばな):

キリスト教式の場合の枕花では、教会に持ち運ぶことができるように、あまり大きくない籠などに入れたアレンジメントフラワーが一般的です。仏式で多く使われる白い菊はキリスト教式ではあまり用いられません。生花店でキリスト教式であることを伝え宗教に見合った素敵な花束を造っていただくと良いですね。

供花(きょうか):

キリスト教の場合は、仏式でいう通夜の代わりに前夜祭が行われるようになっています。枕花を送る場合は、教会に持ち運べる籠のフラワーアレンジメントがお勧めです。

※キリスト教式にはカトリック、プロテスタントなどの宗派があります。それぞれの宗派に関しては葬儀場の担当者等の方に事前に確認を取り、失礼のないよう気をつけましょう。

弔辞に贈る花の金額の相場

枕花(まくらばな):5,000〜20,000円

芳名名札はつけず、お花屋さんに「枕花」であることを告げると贈り主の名前をカードに書いたものを添えてくれます。

 

供花(きょうか):一基10,000円~25,000円

一対になると金額も2倍になります。葬儀屋さんまたは葬儀場へ供花依頼の電話をした際に、事前に予算を伝えると大体予算に見合う供花を紹介してくれます。供花依頼の際に個人で出すか、会社又は連盟で出すのかを聞かれますので前に決めておき、漢字での名前の誤字などがないようしっかりと正確な情報を伝えましょう。

花輪:一基10,000円~20,000円

花輪のスタンドには、贈り主の名前を示すお札をつけます。供花同様、特に会社名などで出す場合は誤字などがあると恥をかくこととなってしまいますので、一つ一つ細かく確認するようにしましょう。

最後に

お花を贈る際は無記名で差出人が不明などという事は決してないようにしてください。送られた親族の方がどう対処すれば良いかなど困ってしまいます。お花は故人への自身の気持ちを込めて贈るものですので最低限のマナーは守った上で送ると、受け取った親族の方などへの慰めにもなり、悲しみを少しでも癒してくれることになるでしょう。

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