自分の周りのどなたかが亡くなり葬式に参列することとなった場合、お悔やみの言葉はどのようにかければよいのだろう?また服装はどのように気を遣えばよいのだろう?など普段、葬式などは頻繁にあるわけではないので困ったり、悩んだりする方は多いと思います。そんな中で、故人とのお別れをしっかりとできるようにお葬式の流れとお悔やみのマナーなどを事前に確認しておけばお葬式に参列したときに戸惑う事もなくスマートに対応できること間違いなしです。ここでは、最低限知っておけば困らない葬式の流れやお悔やみのマナーに関してまとめてご紹介したいと思います。
そもそも葬式とは?
葬儀、葬式とは、人の死を弔うために行われる祭儀、葬制の一部であります。
※葬制(人間の死にまつわる習慣や慣習のこと)
昨今では葬儀(お葬式)と告別式(お別れの儀式)を一緒に執り行うケースが一般的となっており、下記のような流れにて進められています。
お葬式の流れとマナー
※ここでは仏式の流れをご紹介します。
●受付開始
30分前くらいには会場へ到着するようにし、余裕をもって参列しましょう。
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●受付にてお悔やみの言葉を述べ、香典を渡す(香典はお通夜もしくは葬儀の際に渡します)。ここでのお悔やみの言葉は心を込めて、簡素に「この度はご愁傷さまでした」などが良いでしょう。お悔やみの言葉を述べたあと香典を受付に出し、受付の係の人の指示に従い、会葬者名簿に住所と氏名を記帳します。
※お通夜で香典を渡している場合は、「昨夜も参りました」とお伝えし、記帳だけ行います
注:通常、葬儀の最中は、遺族の所へ行って挨拶、お悔やみの言葉を述べるのは控えます。
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●遺族、関係者の着席
一般的には、祭壇に向かって左側に関係者が座ります。
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●開式の言葉
司会者が開式の言葉を述べます。
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●僧侶の入場・読経
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●弔事の拝読・弔電の紹介
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●僧侶の焼香の後、遺族・参列者の焼香
喪主、遺族、親族、一般参列者の順に焼香します。会葬者が多い場合はご焼香の長い列ができます。前の人が終わったら進み出て心を込めてご焼香し、故人の冥福を祈ります。ご焼香の際、荷物は小わきに挟むか人に預けるようにしましょう。
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●僧侶の退席
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●閉式の言葉
司会者が閉式の言葉を述べて、告別式は終了となります。
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●出棺
告別式が終わると、お柩のふたがあけられ、最後のお別れとなります。お別れの儀式の後、親族や近親者によってお柩がご移動され、霊柩車へ移動ます。出棺は、一般会葬者が故人を見送る最後の場です。通常は、この出棺まで待って見送るのがマナーです。冬の時などに出棺を待つ間は、コートなどは着ていてもかまいませんが、喪主の挨拶のときにはできるだけ脱ぎ、霊柩車が走り出す際は丁寧に頭を下げ、合掌して故人を送り出しましょう。
お悔やみの作法
●いつお悔やみの言葉をかける?
お通夜や葬儀に参列する際にお悔やみの言葉をかけるタイミングは、受付でお香典を渡すときにお悔みの言葉を述べます。代理の方が立っている場合は丁寧かつ簡素にお悔やみの言葉を述べます。遺族の方がいない時には、わざわざ遺族の所まで行き挨拶をする必要はありません。とても親しくしていた方などで、どうしても自身のお悔やみの気持ちをご家族に伝えたい場合などは、葬儀の席ではなく、お通夜の際に喪主や遺族の方に、お悔やみの挨拶をしましょう。遺族の方と初対面であった場合には、故人との関係を述べてからお悔やみの挨拶をします。
●どのような言葉をかける?
お悔やみの言葉は決まり文句があります。まず、「この度は心よりお悔やみ申し上げます」という言葉はおぼえておくようにします。通夜や葬儀の際に受付で香典を渡す際には「この度はご愁傷さまです。心よりお悔やみ申し上げます」などお悔やみの言葉をかけます。
●お悔やみの挨拶の注意点
遺族の方にお悔やみの挨拶をする際には、注意する事項が何点かあります。遺族の方はつらいときに面識がない方とも挨拶を交わさなければならないので、あまり質問などはしないように丁寧かつ簡素にお悔やみの気持ちを伝えるようにします。長々と話し込んだり、死因を聞く、相手に負担になるような言葉は使わないように心がけてください。不幸が続くイメージのある重ね言葉(重ね重ね、たびたび)や「死」と直接イメージしてしまうような言葉(死去、亡くなる)などは使わないようにしましょう。
お通夜やお葬式の際のお焼香の作法
お焼香には、立って行う「立礼」と、座って行う「座礼」、そして、座って香炉を手元に置き、ご焼香してから隣の人へ回す「回し焼香」と、3つのスタイルがあります。
●基本的なお焼香の作法
故人とのお別れ、ご冥福を祈るお焼香ですが、宗派により作法に若干違いがあります。基本的なお焼香の方法は、まず右手の親指・人差し指・中指の三本で抹香(香木を砕いた細かい木片)を少量つまみ、額の所までかかげます。(これを「押しいただく」といいます)次に、左の香炉(炭の方)の少し上に移動させ、指をこすりながらパラパラと落とします。 このとき、数珠は左手にかけておきます。お焼香の回数も宗派によって違いがあり、故人の宗派ではなく自身の宗派にならってお焼香を行うため、出来れば自身のご家族などに確認し、作法を学んでおくのが良いでしょう。どうしてもわからない場合、「回数は何回か」ということよりも、心を込めてご焼香することを第一に考えてお参りしましょう。尚、参列者の多いお葬式の場合は、時間の調整から、「1回でお願いします」と案内されることがありますので、その場合は1回だけお焼香します。
●立礼焼香の作法
祭壇に進み、ご遺族に一礼します。遺影に向かって一礼し、一度合掌します次に抹香をつまみ、額の高さで押しいただきます(作法や回数は宗派により異なります)。抹香を香炉にくべ、再び遺影に向かって合掌し、一歩下がり遺影に向かって一礼し、席に戻ります。
※合掌の仕方は、両方の手のひらをぴったりとつけて、両手の指が合うようにします。このとき、指と指の間に隙間などが出来ないよう注意しましょう
●座礼焼香の作法
畳敷きの式場の場合に多く用いられるスタイルです。 座礼焼香の場合も、基本的な手順は立礼焼香と同じです。まず、自分の順番が回ってきたら、祭壇の前へ進みます。座布団の手前で正座し、ご遺族と遺影に向かって一礼し、お焼香は立礼と同じ作法で行います。お焼香が済んだら、遺影に向かって合掌し、両手を使って膝立ちし、祭壇の方を向いたままで後退し、中腰になったら僧侶・ご遺族に一礼して、席に戻ります。
●回し焼香の作法
回し焼香とは、お盆に乗せた香炉と抹香を参列者に順番に回すお焼香です。自宅でのお葬式や、法要などで行われることが多い形式です。通常、隣の方からお盆に乗った焼香炉が回ってきますので、軽く会釈をして受け取り、自分の前に置いて立礼と同じ作法でお焼香し、遺影に向かって合掌します。終わったら両手で隣の方へ回します。 椅子席の場合は、自分の膝の上にのせてご焼香します。
最後に
焼香を行う回数は宗派によって違いがあります。 相手の宗派に沿って行うというほうが丁寧ではありますが、お焼香は故人のことを想って行うものなので、ご自身の信仰している宗派がある場合、その宗派に沿ったやり方でも問題ありません。