結婚して新しい家族となった二人が初めて一緒に出掛けることとなる新婚旅行。最近では海外へ行くことが多いようですが、新婚旅行では自分の息子や娘、甥っ子や姪っ子などに新しい家族となった二人として十分楽しんできてもらいたいと思うのは皆さん同じ気持ちです。新婚の二人にとっては色々とお金のかかる時期でもあり、あまりにもゴージャスで優雅な旅行にはできないこともあります。そんな時、身近な両親や親戚から気持ちのこもった餞別をもらうととても嬉しいものです。ここでは、新婚旅行に出る二人へ餞別を渡そうと思っている方に、新婚旅行の餞別の相場やマナー、渡すタイミングなどをまとめてご紹介したいと思います。
餞別とは?
餞別とは、今までお世話になった方との別れの際、新しい門出の際に金品や品物を贈ることをいいます。餞別の「餞」は「はなむけ」と読むことができ、昔旅に出る人の道中の安全を祈って、馬の鼻を目的地に向けて見送る習慣があった事などから「馬の鼻向け」という言葉の鼻向け(はなむけ)が餞(はなむけ)という言葉をあてて「餞別(せんべつ)」という言葉、意味になり、遠くに旅立つ人へ、新しい門出を祝って贈る金品や品物のことをいうようになりました。
現在では会社の退職の際や転職、海外赴任などされる方へお世話になったお礼や新しい場所でも頑張ってくださいというような「はなむけ」として贈ることが多くなっています。新婚旅行の餞別は今では若干昔の別れの際のものとは異なり、どちらかというと新しい門出を祝って楽しんできてくださいというニュアンスのものになります。
新婚旅行に餞別は必要?
新婚旅行に出る二人に「餞別は必要?」と考える方は意外と多く、友人や会社の同僚などの場合は結婚式に参列してお祝いを渡しているので、新婚旅行の餞別を渡すという方はほとんどいません。しかし、新郎新婦の親や親戚からするとやはり大切な自分の手から離れ独り立ちしていく中で「少しでも何かできることはないか」などと考える方が多く、新婚旅行に関してもやはりせっかくであれば楽しんできてほしいので「少しでも足しにしてほしい」という想いで餞別を渡す祖父母や両親、親戚などは多いようです。
新婚旅行の餞別の相場はどのくらい?
新婚旅行へ行く方への餞別の相場というのは各家の習慣や渡す方との関係などにより変わってきますので、正解というのはありません。両親から渡す餞別が最も金額が高く、3万円から10万円の間でわたされることがおおいようです。その次に祖父母や親戚からで3万円から5万円。自分や義兄弟、姉妹へのご祝儀で1万円から3万円、会社の部下へ1万円程度。基本は目上のものから目下のものへ渡すのが基本です。
自分より目上の方への新婚旅行の場合餞別などはなし、または会社の上司などが渡す場合は1万円程度が相場です。職場の仲間などの場合は結婚式でお祝いを渡している場合はあえて渡す必要はないと思いますが、有志として餞別を渡す場合は千円から3千円程度を何人かで集めて渡すなど、受け取った側に負担にならないようにしましょう。
新婚旅行の餞別マナー
●金額に気を使う
餞別を渡すときの基本は、「お返しは必要ない」とされています。しかし、新婚旅行に行く際の餞別の場合、やはりいただいたらお土産を買ってこなければということは暗黙の了解のようになっている為、あまりたくさんの金額を渡しすぎないようにすることも渡す側としては注意してあげる必要があります。両親の場合などは餞別の金額も高額になることがありますが、お土産は期待せずに渡すようにしましょう。お土産があまりにも金額にそぐわないなどと思ってしまうような場合は、渡さない方がかえって新郎新婦にはありがたいと思われてしまうこともあるのです。新しく家族となったばかりなのにわだかまりはお互い作りたくないですよね。
●餞別の袋や表書き
餞別を入れる祝儀袋は祖父母や両親、親戚の場合はあまりかしこまったものではなく高額を入れる場合はのし袋に現金を入れ、表書きは「餞別」ではなく「はなむけ」や「寸志」などで渡すことをお勧めします。結婚の場合、「餞別」の「別」は別れるという言葉ですので、結婚の際の忌み言葉にあたりあまり縁起が良い感じがしません。そのため、結婚の餞別では「餞別」という表書きは避けた方が無難です。孫や甥・姪などに渡す場合で金額もそれほど多くなく「お小遣い」感覚で渡す場合は、ポチ袋に現金を入れて「心ばかり」や「お祝い」などと書いて渡すと受け取る側も受け取りやすいかもしれません。
●餞別を渡すタイミング
餞別を渡すタイミングですが、受け取る相手ができるだけ気を使わないように新婚旅行に行く直前に渡す機会があればベストです。もしも見送りなどに行く場合は別れの間際にさっとポチ袋に入れた「心づけ」を渡したりすると受け取る側も気兼ねなく受け取れるでしょう。または、新婚旅行に行く前に親戚同士で会う機会があればその時に渡します。無理に渡すことはないので、あくまでも新婚旅行に行く前に会う機会があれば渡すなどでもよいでしょう。会社の上司などで可愛い部下に餞別を渡す場合はやはり新婚旅行へ行く前の最後の出勤日などの帰りにちょっと呼び止めて渡すなどがちょうどよいでしょう。
最後に
これから新しいスタートをする二人に新婚旅行を心に残る楽しいものにしてもらいたいと思う気持ちは皆さん同じです。ここでご紹介した新婚旅行の餞別に関する内容を参考にして、二人に負担にならないようなちょっとした支援をして思いっきり旅行を楽しんでもらえるようにしてみてはいかがでしょう。