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【御仏前・御霊前】表書きの墨の色を使い分け! 普通の筆ペンを薄墨にする方法

急な訃報の連絡をもらいすぐにお通夜へ出向かなければならないときなど、まずはどの香典袋を使ったらよいのか迷い、その後 表書きと自分の名前などを書く際に、墨の色に気を使わなければならない事をどこかで聞いたような…。 そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。よほど冠婚葬祭などのマナーをしっかりと身につけた方、もしくは祖父母などの昔から何度も慶事や弔事の式に参列した経験がある人でなければ、なかなかわかるものではありません。ここでは、出来るだけ簡素にわかりやすく、弔事に関する表書きや筆・墨の色の使い分け方や使う場面、そして普通の筆ペンを薄墨にする方法などを紹介したいと思います。

場面別香典袋の「表書き」

沢山ある香典袋の「表書」き、いつどの場面で何を使えばよいのだろう?と悩んでしまうことってありますが、香典袋の表書きに関しては、亡くなった方の宗派にもより書き方は異なります。ここでは簡単に宗教別に分けて紹介します。

●仏式:お通夜、葬儀・告別式、四十九日(法要前まで)

表書き:「御霊前」、「御香奠(ごこうでん)」、「御香料」

表書き仏式四十九日後の法要(一周忌、三周忌などの年忌法要など):「御仏前」

一般的に仏教では人が亡くなると霊になり、その後四十九日を過ぎると成仏して極楽浄土へ行くという考えより、四十九日の法要が終わる前までは「御霊前」となりますが、浄土真宗では人が亡くなるとすぐに浄土に還り成仏するという考え方なのではじめから「御仏前」となりますので注意が必要です。

※不祝儀袋に蓮の花が印刷されている物は仏式のみで使用可能です。

●神式:お通夜、葬場祭

表書き:「御玉串料(おたまぐしりょう)」、「御榊料(おさかきりょう)」

表書き神式五十日祭以降(百日祭、式念祭など):「御玉串料(おたまぐしりょう)」、「御榊料(おさかきりょう)」「御神前」、「御神饌料(ごしんせんりょう)」

蓮の花の印刷されていない不祝儀袋を使用。「御霊前」は宗教・宗派を問わず使っても構いません。

 

●キリスト教式:

表書き:お通夜、葬儀にあたる式

カトリック通夜の祈り「御花料」「御霊前」

プロテスタント前夜祭:「忌慰料(きいりょう)」、「御花料」

 

表書:四十九日や年忌法要にあたる式

カトリック追悼ミサ:「御ミサ料」

プロテスタント記念式:「忌慰料(きいりょう)」

 

表書きを書く墨(インク)の色

表書きが決まったところで肝心の「何で書く」かが問題になってきます。通常ですとお通夜やお葬式などは急に訪れるものであり、筆ペンなどが無い以前の人々は、突然の悲しみで「あまりにも急な事で墨をする時間もなく駆け付けた」や「墨を磨っても磨っても涙が硯に落ちて薄くなってしまう」という意味合いから薄墨で書いていました。

しかし、現在では薄墨で書く方が良いいという風習は残っているものの、市販の「御霊前」不祝儀袋などはほとんどが濃い黒墨風印刷となっており、その下に薄墨で名前を記入すると不釣り合いだという意見も多くあります。

私自身お通夜でのお手伝いで不祝儀袋を受け取る側に立った際は、色々な所でいわれている薄墨で書かれている方はほとんどいなかったのを覚えています。地域の風習や亡くなった方の家系のしきたりなど現在でもこうしなければという決まったところもあるかと思いますので、一概には言えませんが…

●本来、薄墨で御香典を書くのはいつか?

仏式:お通夜、葬儀、告別式

神式:お通夜、葬場祭

キリスト教式:カトリック通夜の祈りやプロテスタント前夜祭

基本は、お通夜、葬儀のときと覚えておくと良いでしょう。

●濃い黒墨で御香典を書くのはいつか?

仏式:四十九日後の法要(一周忌、三周忌などの年忌法要など)

神式:五十日祭以降(百日祭、式念祭など)

キリスト教式:カトリック追悼ミサやプロテスタント記念式

上記は絶対や必ずと言った場合ではありませんが、あえて分けるとすると上記のようになります。通常、お通夜や葬儀の際は「墨を磨る時間もなかった」や「悲しみの涙で墨が薄まる」など色々な言い伝えがありますが、四十九日の頃には、 亡くなった直後ほど「取り乱していたり、時間がなかった」という事ではないという事で(悲しみは癒えないですが)、濃い墨を使います。薄墨を使ってはいけないということはないのでもちろん薄墨で書いても問題ありません。

普通の筆ペンを薄墨にする方法

前項のように、しきたりに従い薄墨で書こうと決めても、普通の黒の筆ペンはあるけれども、薄墨はない!という方に普通の筆ペンを薄墨風にする技を紹介します。とっても簡単ですが、それなりにしっかりとしたものになります。

  1. 小皿などに水を入れ、筆ペンを少し浸す
  2. 新聞紙などに実際に書いてみて墨の濃さを調節
  3. 不祝儀袋に実際に表書きを書きます。

とっても簡単でビックリされると思いますが、これだけです。わざわざ文房具店などで薄墨を購入しなくてもこれさえ覚えておくと役に立ちます。筆ペンもない場合はサインペンという方もいるようですが、中袋は住所や香典の金額などをしっかりと書かなければなりませんのでサインペンでもよいとして、表書きはマナーとして毛筆や筆ペンなどで記入するようにしましょう。尚、ボールペンで表書きを書くことは、社会人としてのマナーがないと思われてしまいますし、亡くなった方や親族の方にも失礼にあたりますので避けるようにしてください。

最後に

亡くなった方の親族にとって重要なことは、誰がお通夜やお葬式・告別式に来てくださったという事です。その表書きがどうであるかなどは、あまり詮索することはありません。実際にそのようなことを気にするような時間も余裕も無いほどの時期ですから…。ただし、社会人としての最低限のマナーは守って故人を偲びお別れをしてさし上げてほしいと思います。ほんの些細な事でも、しっかりとしたマナーが出来ている方と知らなかったという方では、周りから見て社会人としての「出来る度」に差が出てくるということは言うまでもありませんね。

 

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