忌中や喪中の最中に年末年始が重なると忘年会のお誘いを受けても参加して良いのかどうか迷う方も多いのではないかと思います。友人などでしたら忌中や喪中であることを知っていることもあると思いますので、気を使って誘われることも少ないかもしれませんが、仕事関係などの場合、取引先などの関係もあるため判断も難しくなるかもしれません。ここではそんな忌中・喪中の忘年会参加に関して、参加は控えるべきかなどをご紹介したいと思います。
忌中と喪中の意味を再確認
忌中と喪中の詳しい内容はご存知ですか?まずは忌中と喪中の意味や内容をしっかりと理解してから忘年会などの参加をどのようにするべきかを考えてみましょう。
忌中とは?
身内が亡くなってから四十九日(神道では五十日)は喪に服する期間とされています。忌明けまで(忌中期間)は死者の穢れがあるとされ、祝い事や新年の挨拶、宴会などのお酒を飲む場などに行くことは穢れをうつして(伝染)しまうという考えがありました。その為、祝いの席などに穢れを持って行くことは良くないという事で、忌中期間は様々な規制がありました。現在でも結婚式などは少なくとも、忌中期間はしないで延期などにすることが一般的です。
喪中とは?
現在では忌中を含めた1年間を喪中とするところが一般的です。明治時代には太政官布告により「服忌令(ぶっきりょう)」が出て、故人との関係によって忌中と喪中の期間が細かく決められました。「服忌令(ぶっきりょう)」はすでに百年以上も前のもので、女性軽視の制度であったため、現在では社会と適合した期間に修正され、忌中は四十九日まで。喪中は父母、子や配偶者などのごく親しい関係でも一年間とするのが一般 的になっています。そして実際にはっきりとした決まりの期間があるわけではないため、簡略化することも多くなっています。自分自身がすでに十分に故人のために喪に服したという事であれば忌中期間以降は通常通りの生活をされる方もいますし、まだまだ悲しくて通常の生活に戻るのもままならないという事であれば引き続き喪に服します。ただし、やはり1年を目安に普段の生活に戻れるようにしていくと良いでしょう。
忌中や喪中は忘年会の参加は控えるべき?
亡くなった身内の方があなたにとってのどのような立場であったかによりますが、忌引きなどが取れる関係が二親等までといわれておりますが、その二親等の関係の身内が亡くなった場合、基本的には忌中の間は喪に服することをお勧めします。理由は出席したことにより、主催側が忌明けする前なのに常識がないと思われたり、穢れを気にするような年配者の集まりである場合などにはあまり良くない印象を与えてしまう事があります。一番の理由は、忌明け前は葬儀など終わってすぐという事もあり、まだ家の中がバタバタしていることもあります。故人に対し、悲しみが深い時期でもあるので忘年会どころではないという方も多いというのが現実かもしれません。
すでに忌明け後で喪中期間中の方は、自分の悲しみが少し和らぎ、すでに「十分喪に服した」という事であれば家族に相談したりして参加を考えても良いでしょう。特に会社関係の集まりである場合は「自分がいなければ取引先との関係に影響がある」などということもあるかもしれません。そのような場合は、やはりその事も考慮して上司と相談の上、参加を決定します。最近では喪中であっても忌が明けていれば本人の気持ち次第で出席しても問題ないと言われています。自分の気持ちが宴会でも場の空気を壊さずに、普段通りに振る舞える状態であれば参加しても問題がないのではないでしょうか。
会社の忘年全員参加の場合は参加すべき?
会社などによっては全員参加での忘年会をしているという会社もあるかもしれません。とはいっても業務時間外に行われるものであれば強制はできないはず。けれども会社には独自の常識やしきたりがあったりするので、一般常識が通じない事もあるかもしれません。忌明け前であれば、まだ四十九日前で参加することにより皆さんの気分を悪くしても悪いので、不参加にしたい意向を上司などに相談をしてみても良いでしょう。そこで無理に参加を求める人はあまりいないと思いますが、もしも無理に参加を求めるような会社であれば少々考えた方が良いかもしれませんね。忌明け後の喪中期間であり、自分の気持ちも落ち着いているようであれば、仕事と割り切り参加することを検討します。参加しないでその後の仕事に関わるようであるのであれば、常識的に少し違う事でも仕方がないと思う事が、サラリーマンの悲しい所でもあるかもしれません。
最後に
忌中期間中は出来ればすべてのお祝い事(結婚式など)、お酒の場(宴会など)、新年の挨拶はすべて控えることがベターな大人の選択といえるでしょう。ここで無理強いをする人は交友関係または会社を見直す必要があるかもしれません。忌明け後の喪中期間に関しては、1年という区切りの期間はありますが、自分自身が喪に服す期間であるので、自分が十分喪に服して、気分的にも普段の生活を送れるようになっている時点で喪中は終了しても問題がありません。亡くなった方との関係や自分の気持ちを考慮して忘年会などの参加を決定すると良いでしょう。