忌中・喪中期間とは同じような言葉でありながらも内容は違うものであり、混同してしまっている方も多いのではないかと思います。ここでは実際に、忌中や喪中期間はどの位でどのように過ごすべきなのか、忌引きの期間やマナーなどに関してご紹介したいと思います。
忌中期間とは?
身内が亡くなり、一定の期間喪に服することを忌服(きぶく)、服忌(ぶっき)などといい、一定の期間忌(い)み慎んで生活することをいいます。忌(き)は穢れを嫌う(忌む)ということで忌中の期間とし、現在では一般的に、亡くなってから四十九日間が忌中にあたると言われています(神道では50日間)。学校や会社などでは「忌引き」の休みを取ることも許可されていることがほとんどです。※忌引きと許可される日数は故人との関係によって異なり、勤務先や学校ごとに定められています。
喪中期間とは?
喪中期間は忌服(きぶく)、服忌(ぶっき)などの「服」を指し、喪服(そうふく)は喪服を着て家に忌みこもること、もともとは素服(そぶく)を着るということでした。その親族が故人の死を悼み、ある一定の期間自発的に喪に服すことをいいます。現在では慶事を慎む期間とされていることが多いです。喪中の期間は現在では一般的に故人が亡くなってから一年間とされることが多いです。
明治時代の忌中期間は規定で決まっていた?
忌中や喪中期間に関しては、現在は廃令となっていますが、明治7年の太政官布告で規定された制定も若干形を変えてはいますが、現在でも一部参考にされています。
父母死亡時
忌中:五十日 喪中:十三ヶ月
夫死亡時
忌中:三十日 喪中:十三ヶ月
妻死亡時
忌中:二十日服 喪中:九十日
兄弟姉妹死亡時
忌中:二十日 喪中:九十日
祖父母死亡時
忌中:三十日服 喪中:百五十日
叔(伯)父、叔(伯)母
忌中:二十日 喪中:九十日
※近年では忌明け後からは通常の生活に戻るという方も多いようです。
忌引き(きびき)の期間はどの位?
●忌引きとは?
忌引きとは仕事や学校に出勤・出席できる能力や意思があるにもかかわらず身内に不幸があり、その葬儀のためや喪に服すなどの理由で、学校や会社などを休むことをいいます。出勤や登校をしない状態であっても、一般的な意味での「欠席」の扱いにはなりませんが、進級や卒業に必要な出席日数には数え入れることはしません。 学校等の場合では、「出席しなければならない日数」からは減算されるとしています。 忌引となる日数は、各企業や会社などの就業規則などの労働条件や、各学校あるいは教育委員会等で定められている教務規則などによって、それぞれ定めている所が多いです。
●忌引きと有給休暇は違う?
有給休暇は労働基準法により法律で定められていますが、忌引きは各企業や会社、学校など個別の組織で決められている物で、法律では定められていません。そして有給休暇は皆さんご存知の通り、休暇を取得しても給与が出ますが、忌引きでの休暇は無給としている所がほとんどです。なぜ無休かという事に関しては、虚偽の報告などで休暇を取得する人が多くなる可能性が在ると言いう事が考えられるため、無給としている所がほとんどという事になっているようです。言われてみると納得してしまう感じがとてもします。
ここでは参考までに官公庁服務規程で定められている忌引き期間をご紹介します。地域や各所属する組織などによっても変わってきますので、実際は就業規則や校則などで正確な忌引きの日数を確認されるようにしてください。
配偶者:十日間
血族
父母:七日間
子:五日間
祖父母:三日間
兄弟姉妹:三日間
おじ・おば:一日間
孫:一日間
姻族
配偶者の父母:三日間
配偶者の祖父母:一日間
配偶者の兄弟姉妹:一日間
上記の例に加え、不幸があった身内が遠方に住んでいて、葬儀に参列する場合など、移動に一日かかってしまうという場合は往復の移動にかかる日数なども忌引きの対象となるかどうかについても会社や企業、学校など定め方は違うので、実際に身内や親族に不幸があり、忌引きを申請する際は申請する所属組織(総務科や学級担任)などの担当者の人に確認する際にポイントを押さえて確認することをお勧めします。
確認のポイント
- 自分から見てどのような位置にある親族でいつ亡くなったかを伝える
- 葬儀はどこで行われるか(遠方の場合は移動日なども含め休む期間を伝える)
- 休む期間を伝えたうえで何時から何時までが忌引きの対象となるかを確認
- 通常の忌引き期間に加え往復の移動日などの日数も忌引きに含むことが出来るかを確認
忌引き休暇を取る際に、自分と近い人が亡くなった場合(配偶者や父・母)は職場の方が弔問にいらしていただいたり、遠方の場合は供花をいただくこともありますので、忌引き休暇を取る場合は上記ポイントをはっきりと伝えたうえで斎場などの連絡先や仕事などでトラブルがあった場合などのために、自分の緊急連絡先などもしっかりと伝えるようにします。
忌引きの休暇が終わった後は、職場の方にも迷惑をかけたことなどを踏まえ、悲しみは深いと思いますが、出来るだけ早く通常の業務がこなせるよう普段の生活に戻れるようにしましょう。