年の瀬の年末に身内に不幸があったり、知人や会社関係の方が忌中・喪中期間中などである場合、日頃からお世話になっている方へのお歳暮やお年賀はどのようにしたらよいのか悩んでしまうという方は意外に多いのではないでしょうか。ここでは、お歳暮やお年賀を贈る時期やその時期に自分が忌中・喪中期間の時、そしてお歳暮やお年賀を贈りたい相手が忌中・喪中期間の時の場合に、お歳暮やお年賀はどのようにしたらよいかを忌中・喪中期間のマナーと共にまとめてご紹介したいと思います。
お歳暮とは?
お歳暮とは、年(歳/とし)の暮れ(12月初旬から20日頃にかけて)に日頃からお世話になっている両親や親戚、親しくしている友人や知人、会社関係のお世話になっている方々へ、1年の感謝の気持ちをこめてご当地食材やお菓子、日用品などをの贈りものを贈る行為、そして「今後ともよろしくお願いします」という気持ちと一緒に贈るギフトのことをいいます。もともとは、中国の道教の行事に由来しているといわれ、新年にご先祖様の霊をお迎えする「御霊祭」のためにお供えする物を年の暮れに本家や実家に持って挨拶に行くようになったということと、中国の行事と結びついたものが「お歳暮」ということになったといわれています。
忌中・喪中期間中にお歳暮の贈り物はしても良い?
●自身の家が忌中・喪中の場合
お歳暮は日頃お世話になっている方への感謝の気持ちを贈り物として贈るものですので、地域や習慣により異なる場合がありますが、お世話になった方などには送って問題ありません。忌中期間中は葬儀の事や様々な手続き、身内を亡くした悲しみでそれどころではないかと思いますが、お歳暮を贈る場合にはやはり四十九日法要や五十日祭が過ぎてから贈られる方が無難かもしれません。忌中期間中は遺族には穢れがあるとされていますので、忌明けとなる前に贈り物をすると、贈った方に穢れを送ってしまうというように考える方もいるためです。忌中期間がお歳暮の時期と重なる場合、忌明け後に贈り物をすることにした場合には、「寒中御見舞」に表書きを変えて日頃の感謝の気持ちを贈ることもできますので、気持ちが落ち着いていない忌中期間に無理にお歳暮をする必要はないのかもしれません。
●贈りたい相手が喪中の場合
お歳暮を贈りたいと思っている方が忌中・喪中期間中である場合は、まだ亡くなって日が浅い忌中期間の場合は、遺族の方は気分が落ち込んでいる時期だと思いますので、そのご家族が忌明け後となる頃に「寒中御見舞」を一言添えて贈られるなどすると良いでしょう。喪中期間中の場合もまた、遺族の方に励ましの言葉を一言添えて渡されるなどの気遣いをすると今後のお付き合いもさらに深まるかもしれません。
お年賀とは?
お年賀とは日頃お世話になっている方のお宅に、新年のご挨拶へ伺う際に贈るギフトのことをいいます。昔からお年賀には新しい年神様をお迎えして祀る習慣があり、年始の挨拶周りの際には神棚や仏壇へのお供え物「御年玉(おとしだま)」を持参する習わしがあり、これがのちに子供に渡す「おとしだま」になったといわれています。現在では新年の挨拶周りに持参する手土産が「お年賀」と呼ばれるようになりました。
●忌中・喪中期間中にお年賀は贈っても良い?
お年賀は基本的にはお正月の三が日に新年の挨拶と一緒に贈り物をするという事になりますので、忌中・喪中期間中は新年の挨拶は控えるという事が基本マナーですので、忌中・喪中期間中の方へのお年賀は控えます。自身が忌中・喪中期間中でも同じです。お年賀は控えますが、日頃お世話になっている方には、お年賀の代わりに寒中見舞いとして1月7日以降から2月3日頃の節分の日までの間に手土産として直接持参し、訪問などされると良いでしょう。
寒中見舞いとは?
日本の習慣の一つで、二十四節季の小寒の始めから大寒の終わりの立春までの寒中に相手を気遣って贈り物をもって訪問する見舞いです。また、喪中や忌中の為、新年の挨拶が出来ない場合の代用にもされることがあります。
●忌中・喪中期間中の寒中見舞い
忌中・喪中期間中の相手や、自分自身が忌中・喪中期間である場合、お年賀は贈ることを控えるため、事前に先方に一報入れてから、寒中の期間中に伺いたいという事を事前に連絡しておかれると良いでしょう。そして松の内(1月7日)が開けた後に新年の挨拶ではなく“本年も引き続きどうぞよろしくお願いします”などと挨拶をします。忌中期間中で相手の方がまだそれどころではないという事であれば、「お供え」として贈られると相手の方にも気持ちが伝わるのではないかと思います。
お歳暮や寒中見舞いの熨斗はどのようにしたらよい?
購入先のお店でも相談されてみると良いと思いますが、通常使用する外熨斗で紅白などの水引の熨斗は使わず、デパートなどではシンプルな短冊の熨斗などが用意してあると思いますので、そのようなシンプルな短冊の熨斗、または白無地の熨斗などにしていただくようにします。表書きは「お歳暮」、「寒中御見舞い」、などとして贈ります。持参する時期はお歳暮が12月初旬から20日頃にかけて、寒中見舞いが1月7日以降から2月3日頃の節分の日までの間です。
忌中・喪中期間のお歳暮やお年賀はどのようなものを贈れば良い?
上記でも述べたように忌中・喪中期間中の年末年始はおめでたい事(新年の挨拶や初詣、お正月飾りなど)は控えます。したがってお正月モードが切り替わりとなる松の内が過ぎてから寒中御見舞いとして贈り物と一緒に伺う事になりますが、贈り物もあまりおめでたい雰囲気のしないものや包装のものを選ぶと良いでしょう。品物の内容は日用品やお菓子、食品などで通常と変わらなくても、パッケージが華やかでないものや落ち着いた色合いの品があれば、そのようなものを、忌中期間中で「お供え」と表書きをして贈る場合は、故人の好きであったものなどを選ばれると気遣いが感じられて良いのではないでしょうか。
最後に
忌中や喪中によりお歳暮やお年賀は贈っても良い場合と控える必要があったり、その時の状況によりどのようにするべきかを参考にしていただければ幸いです。日頃からお世話になっている方だからこそしっかりとしたマナーで年末年始のご挨拶をして、今後のお付き合いをさらに良いものにしていただければと思います。