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香典返しを寄付するときのマナーと注意点

葬儀の際にいただいた香典を、通常は忌明け後にいただいた香典のお返しとして品物を贈る香典返し。最近ではこの香典返しも習慣や形を変えつつあり、香典返しの代わりに香典を寄付という形で福祉団体や社会的な貢献活動などに役立ててもらうという方が増えてきているのをご存知でしょうか。故人の生前の希望や遺族が今後の医療や病気で苦しむ方に役立ててほしいという気持ちをこめて寄付をすることもあります。寄付といってもただ寄付をして終わりというわけにはいきません。ここでは、香典返しの寄付に関してどのように寄付をするか、香典を頂いた方へどのように寄付したことを伝えるかや、皆さんへの対応はどのようにしたらよいかなどをマナーと注意点にまとめてご紹介したいと思います。

香典返しを寄付するという事に関して

一般的な葬儀には多大な費用が必要となることが多く、遺族への負担もかなりかかりますが、故人の生前の過ごした環境が施設などで大変お世話になり、施設の設備などこれからの運営に少しでも役立ててほしい。または医療が発達していれば治る可能性のある病気であったりするときなど、これからの人々のために役立ててほしいという遺族や故人の思いで香典の一部を寄付する方が年々増えているようです。香典返しを寄付するという事に関しては、さまざまな意見に分かれますが、どれが正しいという事は簡単には言えず、それぞれの家や習慣、故人の希望などにより様々です。寄付を検討されている場合は親族などの間で十分な話し合いをし、それぞれ周りの皆さんが納得の上でどのようにされるかを決定していく事となります。

香典を寄付する場合の注意点

香典の一部を寄付することを決定された場合はまず、香典を頂いた方々へどのように伝えるべきかを考える必要があります。一般的には香典を頂いた方へは、香典返しという形で「半返し」または「三分の一返し」の贈り物をしますので、それをなしにして、勝手に寄付されたと不快に思われる方がいないとはいえません。一般の参列していただいた方の場合は、香典もそれほど高額になることはありませんが、親戚などの場合は金額も大きくなりますので、あらかじめ相談をし、個別に対応することが必要になったりするケースもあります。まずは香典を頂いた皆さんへ香典返しの代わりに香典を頂いたお礼状、そのお礼状の内容には皆様よりいただいた香典の一部を寄付しましたという事をしっかりと記載したものを贈るようにします。故人が生前から寄付の意思を家族へ伝えていたのであれば、そのことを説明する文面を入れるという事でもよいでしょう。親族間の場合は事前に相談もなく香典を受け取り、あとで寄付したということになると問題になることもありますので、香典をどのようにするのか、寄付の場合も含めきちんと事前に遺族で相談し、取り決めをしておくとトラブルを防ぐこともできるでしょう。

そもそも香典返しとは?

以前の香典には、お互いに助け合いという意味合いが強くあり、米や乾物などの食料や必要なものを「困った時はお互いさま」という事で贈り、不幸があった家は誰からどのようなものを頂いたか帳簿に記録しておき、後にその家に不幸があった際には同じ分だけお返しする、という慣わしが自然と出来上がっていました。したがって、「香典返し」という概念は存在していませんでした。しかし、時代と共にこのような共同体の意識は薄れていったり、葬儀の回数や形式なども変化し、頂いたものを「次の機会に返す」ということが大変難しくなりました。それと同時に香典以外の様々な場面でも贈答の文化が誕生。そこで香典を頂いた方に対してはその都度「香典返し」をお渡しするという習慣が生まれたのだと考えられています。

香典返しを寄付する際へのマナー

●一般の方々へのマナー

上記で説明したように元々はお互いに助け合いという意味でいただく香典返しですが、現在では一般的に香典返しをすることは必要となっていますので、その香典返しを寄付するという場合にはしっかりとした説明が必要となってくるでしょう。葬儀前にいただいた香典を寄付に充てるという事が決まっているようであれば、葬儀の際に香典は寄付させていただきますという事を記載または通知できるようにしたりすることが望ましいでしょう。その後、寄付した団体によっては、寄付の受領証や礼状を発行していますので、それをお礼状に同封して香典を頂いた方々へ報告をします。礼状には、まず会葬や香典に対する感謝の気持ちと共に、故人の法要が滞りなく行われたことをご報告します。これに合わせ、いただいた香典を全額、もしくは一部を寄付した旨を団体名と共に明記します。報告が略儀であり、後日のお知らせとなったことをお詫びする一文も入れておくと、参列者の方には丁寧といえるでしょう。後から寄付をする事が決まった場合でもこのお礼状はしっかりと送るようにします。

●親族などへのマナー

親族などの場合は香典の金額も多くなることが多い為、寄付をする場合には事前に皆さんの理解を得るようにすることが大切です。遠方の親戚などで説明が難しい、または理解を得るのには少々難しい、などと言う場合は寄付した金額とは別に、香典返しの品も用意されるなどの配慮も必要がある場合があります。その際もお礼状に香典の一部を寄付したことをお知らせして香典返しを贈ります。

香典を寄付する場合の、お礼状の内容

香典を寄付する場合、参列者には説明が必要になります。寄付した団体などによっては、寄付の受領証や礼状などを作成してくれるところもありますので、文面に不安がある場合は、寄付先の団体や葬儀社などにも相談し参列者の方々に失礼のないようにしましょう。

お礼状を書く際のポイント

  • 会葬や香典に対する感謝の気持ちと共に、故人の法要が滞りなく行われたことをご報告
  • いただいた香典を全額、もしくは一部を寄付した旨を団体名と共に明記
  • 報告が略儀であり、後日のお知らせとなったことをお詫びする一文を入れる
  • 季節の挨拶文は不要で句読点は入れない

香典をくださった方々にはその旨をしっかりと説明する必要があります。香典を下さった方は、故人のために香典を準備していただいたのであって、寄付をすることを前提に香典を渡したのではありません。したがって、香典をくださった方には、失礼のないようしっかりとした報告が必要です。香典からの寄付金を募っている団体の多くは、「寄付へのお礼と寄付をどのように役立てているかを明記したお礼状」や「受領証」を発行しているところもありますのでまずは相談してみると良いでしょう。

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