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御霊前、御仏前に対する香典返しの時期や品物の選び方

葬儀や法事に参列していただいた方へお返しする香典返し、実際にお渡しする時期はいつ頃が良いのだろう?弔事に関する経験が何度かあれば知っているという方も多いと思いますが、社会人になって初めての事であったり、結婚してから初めてのことであったりすると、どうしてよいのかさっぱりわからないという方は多いのではないでしょうか。ここでは、自分の家で弔事があった際に、いただいた御霊前や御仏前に対する香典返しの時期や品物の相場、選び方などをご紹介したいと思います。初めてのことであっても、簡単な事を知っておくだけで、しっかりとしたマナーで対応することができますので、参考にしていただければ幸いです。

香典袋の表書き御霊前と御仏前とは?

●御霊前

仏教の教えでは、人の死後~四十九日までの間は、人が死んでから次の生を受けるまでの間を指す「霊」として考えられており、霊である魂をこの世で静め、死者があの世へ旅立つ期間、もしくは死者が仏になる準備をするなどと解釈されています。そのため、死んだ人を敬わってその霊前をいう語ということになります。霊を信じる宗派の場合は、四十九日までの間は、香典袋の表書きは「御霊前」とするのが一般的です。浄土真宗、などに関しては、「御霊前」ではなく亡くなってからすぐに「御仏前」を用います。

●御仏前

御仏前とは、一般に忌(き)明け(四十九日)の後に使い、霊である旅を終え、仏様となった時からこの御仏前という言葉を用いられるようになります。仏前を敬(うやま)わっていう言葉で、仏前にお供えする香典や供物(くもつ)の表書は「御仏前」となります。

御霊前と御仏前の香典返しの時期と渡し方

●御霊前の香典返しの時期

香典返しとは、通常葬儀へ参列していただいた方よりいただいた御霊前(香典)に対するお返しの事を言い、一般的には四十九日法要後にお返しをします。間違えやすいのは葬儀の際に香典をいただいて、すぐにお返しをした方が良いのでは?と思ってしまう事です。宗派などにより「御霊前」か「御仏前」をいただきますが、忌明け前(四十九日法要まで)にいただいた香典に対し、忌明け後に香典返しを送るようにします。

注:四十九日の法要で香典返しをされる場合は、香典返しと四十九日の法要でいただいた「御供物」に対する「引き出物」を別途用意するようにします。香典返しを郵送する場合は、「引き出物」のみし四十九日法要の際にお渡しします。

●香典返しの渡し方

香典返しを郵送する場合の送る時期の目安は、特に決まりはありませんが、四十九日法要後2週間以内を目安にお届けするのが一般的です。最近では葬儀当日に葬儀御礼(葬儀に参加していただいた方全員へ送る感謝の気持ちの粗品)と香典返しを一緒にお渡しするケースも増えました。当日返しですべて済ませた場合は一般的に後からのお返しは不要ですが、高額の香典をいただいた方、もしくは故人が生前にお世話になった方などには、四十九日後(忌明け後)に別途お礼をお渡しするという方法もあります。

●御仏前・法要などの香典返しの時期

御仏前へのお返しは通常「香典返し」とは言わず、「お返し」「引き出物」等と言い方が変わります。故人の以前の知り合いの方などが、知人から訃報を聞いた、もしくは喪中はがきなどで訃報を知り、その方より御仏前を郵送いただいた場合、もしくは御仏前をいただいた方に面識がない場合なども、まず電話や手紙などでお礼を述べ、速やかにお返しの品を送ります。こちらも時期に決まりはありませんが、感謝の気持ちを伝えるものなので2週間以内を目安に送るようにしましょう。

香典返しの品の金額の目安

香典返しの一般的な金額の目安は、いただいた香典の半額ほどの金額相当のお返しをする「半返し」、もしくは三分の一程の金額相当のお返しをする「三分の一返し」とされることが一般的です。親族や身内からの高額な香典に関しては三分の一から四分の一程度のお返しでも失礼には当たりませんし、各地方や親族同士で決まり事などがあればそちらに従うようにすると良いでしょう。

●四十九日の法要後に「香典返し」をする場合の例:

  • 香典を10,000円いただいた方であれば5,000円程度のお返し(半返し)
  • 香典を50,000円いただいた方であれば高額なので四分の一程度とすると20,000円程度のお返し

●香典返しを葬儀の当日に行う場合の例:

葬儀の際に一緒に香典返しをお渡しする際は通常一律で2,000円~3,000円ほどでお返しを用意します。葬儀の際に高額なお香典をいただいたときは、四十九日後の忌明け後に別途お返しをすると良いでしょう。

例:当日に香典返し(当日返し)を2,500円で用意した場合

  • 香典を5,000円いただいた方は半返しとなりますので別途お返しは不要です。
  • 香典を10,000円いただいた方であれば2,500円分のお返しはすでにしているので四十九日後の忌明け後に2,500円相当のお返しを送ります。
  • 香典を50,000円いただいた方であれば高額なので四分の一程度とすると17,500円(切りが良い15,000円~20,000円)程度のお返しを送ると良いでしょう。

●年忌法要などの「おかえし」、「引き出物」をする場合の例:

一回忌、三回忌、までは遺族・親族だけではなく友人・知人も参列し僧侶に読経をしてもらい、その後に会食(お斎)となりますが、お招きした方には会食代(御膳料)と引き出物を用意することとなります。引き出物は参列していただいた方にその場で渡すものなので事前に用意しなければなりません。考え方としては会食代(御膳料)+引き出物となりますので、参列者の方々よりいただいた香典は一人10,000円と想定して7割~ほぼ全額お返しするという内容で見積もります。

一回忌、三回忌:会食代(御膳料) 5,000円~7,000円、引き出物代2,000円~5,000円程度

七回忌以降:七回忌以降は遺族のみでの供養がほとんどです。

会食ありの場合は会食代(御膳料) 5,000円~7,000円、引き出物代2,000円~3,000円程度

会食がない場合の引き出物は2,000円~5,000円程度のものを用意しましょう。

「香典返し」や「引き出物」の品物はどんなものをお渡しする?

不祝儀にいただく香典や法要のお返しとしては、後に残らない(不祝儀を残さないように)との意味を込め「消え物」を選びます。一般的に食品や消耗品をお返しします。最近では高額のお香典をいただいた方にはカタログより好きなものを選んでいただくカタログギフトなどもお返しの「引き出物」として喜ばれるようです。

実際にどのような品が多いか

・お菓子(米菓子、カステラ、和菓子など)

・海苔

・お茶

・コーヒー

・佃煮

・洗剤、石鹸

など、上記だけでなく様々な商品があるようです。迷った際は百貨店の方やお店の方に相談してみると色々お勧めしてもらえます。尚、昔から「香典返し」などでは贈ってはいけない商品、として「相殺」を意味する肉や魚などの生鮮品がありますので注意してください。

最後に

香典返しを、郵送などで届ける場合は、一般的いただいた香典へのお礼などを記した挨拶状を添えて送ります。挨拶状などは百貨店や専門のお店で用意してくれることがありますので(有料の場合あり)確認すると丁寧に教えてもらえます。なお、自宅の近所や親戚の方などへ直接香典返しを手渡しする場合や、法要当日の「引き物」の場合は、基本的に挨拶状は不要となります。

 

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