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法事を欠席するときの香典・お供え【送り方と手紙例文】

法事・法要には四十九日から一回忌、三回忌などの年忌法要がありますが、中でも四十九日、一回忌などはたくさんの親戚や亡くなった方の知人を招いて故人を偲び供養するための大切なものです。したがって、法事に招かれた方は通常は出来る限り出席するようにします。けれども、やむを得ない理由で欠席しなければならない場合は、施主(せしゅ)の方には失礼のないよう早めに連絡し、香典(お供物料)もしくはお供え物、または両方をお送りすることが最低限の法事マナーです。ここでは法事をやむを得ない理由で欠席しなければならない際の香典やお供え物の送り方、そして香典やお供え物に添える手紙の例文などをと紹介したいと思います。

法事とは?

法事は故人の死後の供養として行われるもので、親しい方が集まって故人の冥福を祈り、霊を慰める仏教の儀式の事を言います。四十九日までは7日区切りで行われます。この区切りは仏教の伝承によるもので、7日毎に生前の功徳に対する裁判が行われるとされることからきています。それ以降も定められた年に年忌法要を行い故人が亡くなった年を含めて満1年目に「一回忌」、満2年目に「三回忌」、満6年目「七回忌」というように営み、三回忌までは親族以外の故人の親しくしていた方なども含めて招待することもありますが、七回忌以降は親族のみで営まれることが多くなります。遺族が故人を偲び冥福を祈る「追善供養」をする事で、故人への祈りや死別から少しずつ立ち直るための行事という事にも繋がります。また、親類や知人・友人が集まることで、故人の冥福を祈り、その人間関係もまた続いていく事になります。

法事への案内状が来てからの行動

●出欠席は早めに返信

出欠席の返信の連絡は早めに出す必要があります。なぜ、早めに連絡をする必要があるかというと、法事の際に出席する人数により、お斎(法要後の食事)や引き出物の準備を事前に用意しなければならず、ぎりぎりになって出席できないことを連絡すると、施主様に迷惑をかけることとなってしまうからです。

※施主(せしゅ):ここでの施主とは、法事を金銭面の面などからも全般的に執り行う人の事をいい、社葬などで会社の方が施主になるなど以外、ほぼ喪主の方が兼任することが多いです(親の代わりに子供が施主になるなど例外あり)。

●法事欠席時の返信ハガキの書き方

通常、結婚式などで送られてくるハガキと同じように書いて返信します。

「御出席」という文字に二重線を引き、「御欠席」の「御」にも二重線を引き、欠席に丸をします。欠席の横に「致します」をつけ足せばOKです。

「御芳名」、「御住所」のに二重線を引き「芳名」、「住所」の所に自分の氏名と住所を書きます。

芳名」 ○氏○  ○名○

住所」 ○○県 ○○市 ○○町 ○○

コメント欄(備考欄)などがあればそこに事情を記載します。

ここで注意が必要なのは弔事の際は理由をはっきりストレートには書かず、「やむを得ない理由で」などと何故欠席するかの内容は書かないことがマナーとなっています。

この時に返信ハガキにお詫びの手紙を添えて郵送するとより丁寧で誠意がより伝わるでしょう。本来であれば法事に出席が出来ない場合、日を改めて訪問し仏壇にお線香をあげさせていただくのが良いと思いますが、遠方で訪問が難しい場合や法要前後に伺えない場合は、現金書留で返信ハガキ、お詫びの手紙、香典(御仏前や御供物料の表書きの不祝儀袋に入れたもの)を一緒に郵送することが出来ます。

※地域によっては法事を欠席の際には香典はお渡ししないという事もあるようですが、多くの地域では出席できない場合でも香典は送る風習が残っています。

法事欠席に関する「お詫びの手紙」例文

前略

この度は亡き○○○様の○回忌の法要にお招きいただきありがとうございます。

さて、お招きいただいた法要の件について、当日出席させていただく予定でしたが、やむを得ない事情により、誠に申し訳ございませんが、欠礼をさせて頂くことをお許しください。

是非お参りして皆様のお顔も拝見したかったのですが、大変申し訳ございません。

些少ではございますが、同封のもので、亡○○様がお好きだったお菓子でも御霊前にお供えいただければと存じます。また、後日改めてお伺いし、お参りさせていただきたく存じます。

時節柄、くれぐれも皆さまお体を大事になさってください。

草々

※「同封のもの」とは、「お供物料(お香典)」のことです。さらに一言遺族の方を気遣う言葉も添えると良いですね。

現金書留での香典の送り方

それでは返信のはがきと御詫び状、御供物料も用意したところで、郵便書留ってどうやって送るのだろう?と疑問に思ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。私自身、現金書留は現金を郵便局へ持って行き、現金を裸の状態で封筒に入れて送るものだと思っていましたが、間違った認識でしたので、ここで詳しくご紹介します。

事前に用意した香典を不祝儀袋(香典袋)へ入れ用意する。表書きは「御供物料(御仏前)」などとします。「法事返信用ハガキ」、「お詫びの手紙」を郵便局へ持って行く。

※香典の不祝儀袋は大きすぎると規定サイズでは収まらなくなってしまうので、一般的に使われている普通サイズのものを使いましょう。

注:もしもすぐに郵便局へ行って書留などを送る時間がないときは先方様に失礼のないよう、先に法事の返信ハガキを出し、別途あまり時間を空けずに香典やお詫びの手紙を郵送されることをお勧めします。

現金書留を送りたい事を係りの人に伝えると、それに合う現金書留専用の封筒を出してくれますので合うサイズを購入。必要事項を記載の上、持参してきた「御供物料(御仏前)」、「法事返信用ハガキ」、「お詫びの手紙」を同封して送ります。急ぎで郵送する場合は追加料金で速達便などもありますので、用途に合わせて選択しましょう。

お世話になった恩師などへの法事対応

法事には呼ばれていないけれど、個人には生前とてもお世話になったので何かお贈りしたい… 

そんな時はお供え物としてできるだけ法事の前日までにお花や生前故人が好きだったお菓子などをお贈りするのもあなたの故人を思う気持ちが親族の方にも伝わることでしょう。

●故人へのお供え物を決めます

一般的には故人の好きだったお菓子やお花、フルールなど食べ物やお線香、蝋燭など様々です。ただし、相殺に関わる肉、魚類、血を流すという意味でバラなど棘のある花はお供えには不向きですので注意してください。一番は本人の故人に対する気持ちなので、亡くなられた方のご家族は何をお供えしてくれたかより、あなたの気持ちが一番うれしいものと思います。

法事には呼ばれていない、当日参加できないなどの場合は郵送します。

当日、参加できなくてもその前後で伺う事が出来るようであれば、親族の方と連絡を取り直接お供え物をお渡しし、お参りするのが一番ですが、遠方で伺えない、時間の都合がつかないなどの時は簡単で構いませんのでお手紙を一緒に送られると故人の方も親族の方にも喜ばれることでしょう。

注意:お花の場合はメッセージカードなどをつけて贈ることが出来ますが、お菓子などの商品の場合、手紙などは郵便の法律により一緒に送れませんと断られる場合がありますのでその際はお手紙を別送もしくは商品を購入先のお店からではなく、郵便局へ持って行き、お手紙代の切手を別途購入してお供えにテープなどで固定して出すことも可能です。色々と調べてみましたが、基本、手紙はお菓子などと一緒に送れません(郵政省のHPに記載されています)。しかし購入先の店舗により様々ですので、購入先の百貨店やお店で一緒に手紙もしくはメッセージを一緒に入れられるか確認されることをお勧めします。

●手紙・メッセージの例文

  • さて、時間の経つのは早く○○様の○○周忌ですね。 本来ならばお参りさせていただきたかったのですが、伺うことができず申し訳ございませんでした。 心ばかりですがご果物を送らせていただきます。ご仏前にお供えいただければ幸いです。 在りし日のお姿を偲びつつ、故人の安らかなお眠りをお祈りいたします。
  • ○○様が旅立たれてから、もう○○年になるのですね。月日の流れのはやさに驚くばかりです。 心ばかりのお花をおくらせて頂きます。ご仏前にお供えください。 ご生前の面影を偲び、あらためてご冥福をお祈りいたします。
  • この度はお伺いする事が叶わず、申し訳ございません。○○様が生前好んで召し上がられていたお菓子をお送りし、故人を偲びたいと思っております。どうぞ、ご仏前にお供えいただければ幸いとです。 ご家族の皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。

最後に

法事に出席できなかった場合でも、電話や返信はがきだけで済まそうとはせず、お詫びの手紙や香典、お供え物などを贈るのが一般的です。出来れば別の日にご家族と連絡を取り、お参りに行くなどして故人のご冥福をお祈できれば、故人のご家族にも誠意が伝わります。法事のマナーを知ってさらにスマートに大人の対応が出来る様になりたいものですね。

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