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餞別を贈るときの「のし」と「書き方」5つのポイント

転勤や退職、海外赴任や引っ越し、留学や旅行などさまざまな場面で贈ることがある餞別。自分の身内であれば多少マナーが分からなくても多めに見てもらえることが多いですが、社会人になって会社の上司の退職や海外赴任などで渡す餞別の場合には、しっかりとしたマナーで贈りたいと思う気持ちは皆さん同じだと思います。自分が結婚していて義父母や相手方の親戚などに贈る餞別も同じです。ここでは、餞別を贈るときの「のし」の決まりや「のしの書き方」のポイントをまとめてご紹介したいと思います。

餞別とは?

餞別とは、今までお世話になった方との別れの際、新しい門出の際に金品や品物を贈ることをいいます。餞別の「餞」は「はなむけ」と読むことができ、昔旅に出る人の道中の安全を祈って、馬の鼻を目的地に向けて見送る習慣があった事などから「馬の鼻向け」という言葉の鼻向け(はなむけ)が餞(はなむけ)という言葉をあてて「餞別(せんべつ)」という言葉、意味になり、遠くに旅立つ人へ、新しい門出を祝って贈る金品や品物のことをいうようになりました。現在では会社の退職の際や転職、海外赴任などされる方へお世話になったお礼や新しい場所でも頑張ってくださいというような「はなむけ」として贈ることが多くなっています。

熨斗(のし)とは?

熨斗紙やのし袋の右上に小さく六角形でカラフルなマークもしくは飾りの事を言います。その飾りのルーツは「熨斗鮑(のしあわび)」から来たと言われており、六角形のマーク(飾り)を良く見ると、黄色の長方形のものが包まれているようなかたちになっています。それがここでいう「熨斗鮑」です。

鮑の肉を薄く削ぎ、干して生乾きになったところを竹筒などで押して伸ばし、水洗いしてからまた更に乾燥させ押し伸ばす、という事を何度も繰り返して調製したものを「熨斗鮑」と呼んでいました。その製法もさることながら、鮑はその昔、長寿をもたらす食べ物とされていたため、とても格式の高い縁起物として扱われていたため、神饌(しんせん)として神様に供えられていました。したがって本来「のし」とは熨斗鮑のことを指し、私たちが一般的に使っている「のし」という言葉は、実は贈り物に掛ける「掛け紙」のことを指すことが多くなっています。熨斗鮑が付いた掛け紙は「おめでたいお祝い」の際に使用しますので、覚えておくと良いでしょう。

餞別を贈るときの「のし」と「書き方」

●餞別を贈るときの「のし」は?

餞別を贈る際ののし(熨斗鮑)は通常ありのものを使用します。上記でも述べましたが、熨斗紙やのし袋の右上に小さく六角形でカラフルなマークもしくは飾りがあるもののことです。

●水引は?

のし紙やのし袋でセットになっている物といえば水引。最近ではすでに印刷されている物が多いので、あまり気にしたことがないという方が多いかもしれませんが、水引にはほどけても何度でも結びなおすことができる(何度あってもめでたいという意味が込められた)「蝶結び」と一度結んだらほどけることがない(一度きりで二度と起こらないようにという意味を込めて)「結び切り」の二種類あります。一般的な退職や転勤、留学や旅行などの際の餞別には紅白の蝶結びの水引を使用しますが、結婚の新婚旅行などの際に贈る餞別は一度きりで二度はないように、などという意味を込めて紅白の結び切りの水引を使用します。

シーン別表書きの書き方

餞別の表書きは贈る相手やどのようなときに贈る餞別なのか、などにより変わってくることがありますが、基本は「御餞別」となります。相手の方が職場の上司であったりするときは「おはなむけ」とすることもあります。

●職場での転勤・移動の場合:「御餞別」「おはなむけ」

上司や目上の方の場合は個人ではなく職場の部署の方などと渡すのが一般的で、「おはなむけ」が丁寧です。同僚や部下の場合は「御餞別」とします。

●退職:「御礼」「おはなむけ」「御退職祝」

定年退職で引退される方には「御退職祝」「御礼」が一般的ですが、退職後にも仕事を続けたり新しい道に進む方には「おはなむけ」として贈ると良いでしょう。

●旅行、留学:「御餞別」

一般的に目上のかたに個人で贈ることはしません。しかし、自分の両親や義父母などの場合には「御餞別」で問題ありません。

●新婚旅行:「御餞別」「おはなむけ」

新婚旅行の場合は水引が蝶結びではなく結び切りになるということを注意しましょう。

●転居・引っ越しなど:「御餞別」「おはなむけ」

自分より年長者の方や目上の方には個人で餞別を贈るということは失礼になることが多いので、職場や友人など連名で贈るのが一般的です。引っ越しの場合は新築の家へ引っ越す場合は餞別ではなく「新築祝い」になりますので注意してください。一般的な引っ越しは「御餞別」となります。

贈り主の書き方

贈り主は個人の場合は表書きの下段中央に氏名を書きます。連名3名までの場合、目上の方から順に右側から氏名を記載していき、4名以上になる場合は表書きには代表者の氏名を中央に書いて左隣りに「他○名」などと人数を記載します。または「○○課一同」などと記載して実際のメンバーは別途、別の紙に記載してのし袋の中にいれるようにします。

中袋の書き方

のし袋の中にあるもう一つの封筒を中袋といい、中袋には金額(漢数字で書く)と贈り主の住所・氏名を記載します。連名の場合は別紙でみなさんの氏名を目上の方、年功序列などで右側から記載します。記載するときは縦書きが基本で、毛筆や筆ペンで書くようにします。(ボールペンやサインペンはマナー違反となります)

最後に

お世話になった方や共に仕事をした仲間、孫や姪、甥など餞別を贈るシーンはさまざまです。その中でも特にマナーを重視する目上の方や仕事関係で贈る餞別ではマナーをしっかりとして今までの感謝の気持ちやお疲れさまでしたという労いを込めて心に残る餞別を贈っていただければと思います。

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