親戚や自分が親しくしている人の入院を知り、すぐにでも駆け付けたいと気持ちがあるのは皆さん同じだと思います。しかし、すぐに駆け付けても面会できなかったり、迷惑となってしまうということがあるのをご存知でしょうか。ここでは、入院のお見舞いへ行く際に失敗しないための基本的なマナーをご紹介したいと思います。日頃お世話になっている方や大切な人のお見舞いへ行かれる際は是非チェックしてから、自分にとっても相手の方にとっても失敗のないお見舞いをしていただければと思います。
お見舞いの基本マナー
●入院のお見舞いへは行くべきか
これはまず考えなければならない初歩的なマナーです。自分の親しい人の入院と聞けば、心配ですぐにでも駆け付けたくなりますね。しかし、相手の方は病気であれば、とても苦しんでいるときで誰とも会う気持ちになれないかもしれませんし、ケガなどであればすぐに手術となったりするケースもあります。そんな時に突然お見舞いに行っても面会が規制されていたり、顔を見ることはできないかもしれません。そんな時は、お見舞いの品にメッセージを添えて看病されているご家族に渡したり、もしくは入院されている方の状況や体調などを考慮し、改めてお見舞いするようにします。
●お見舞いへ行くときは事前の確認をしてから
お見舞いに行くときには看病されているご家族や本人に連絡を取り、病院の面会時間を確認したり、お見舞いへ行く日時などを確認してから行くようにします。入院直後や手術の前後などは検査が多くあったり、精神的に不安な時期でもあります。病状が思わしくなく誰とも会いたくない時期もあるかもしれません。そんな時は訪問は控えるのがマナーです。手術なども無事終わり、回復してきた時期や、病状が落ち着いて回復に向かってきている頃であれば面会も出来ますし、入院している方にも喜んでもらえることでしょう。入院中は入浴などもあまり出来なかったりしますので、いつも身なりをきれいにしていた方ほど、「いつもと違う弱々しい自分を見られるのが嫌だ」ということもあります。突然のお見舞いは相手の気持ちを考えていないというマナー違反ですので、お見舞いへ行く前には必ずアポイントメントを入院中のご本人またはご家族と連絡を取ってから行くようにするという心遣いを忘れないようにしましょう。
●お見舞いするときは長居は禁物
いざお見舞いに行っても長時間いるなどという長居は禁物です。相手は入院中で体力も落ちていますし、ほかのお見舞いの方もやってくるかもしれません。相手への負担を考え15分から20分程度、長くても30分で自分から「そろそろ帰ります」などと切り上げるようにします。約束の時間へお見舞いに行っても、相手の方が寝ているなどということもあるかもしれません。そんな時は手土産にメッセージを添えてご家族の方、またはナースステーションなどに頼んで渡してもらうようにします。無理に起こしたりすることはしないでくださいね。遠くからわざわざ約束してお見舞いに来た場合などは少し時間をつぶして起きた頃に行くなど、配慮をするようにしてください。
●病院や周りの患者さんへの配慮も忘れずに
お見舞いへ行くときには大人数でいったり、小さな子供を連れていく事はしないようにしましょう。病院によっては小学校以下のお子さんは病室内に入ることが出来なかったりするところも多くあります。また、大人数で行くとどうしてもにぎやかになってしまい周りの患者さんにも迷惑となってしまうので、大人数の時は代表者として2,3人でいったり、日にちをずらしたりしてお見舞いに行くようにしてください。お見舞い時にはあまり派手な服装や香りの強い香水などは他の患者さんに迷惑となったり、不快な思いをさせてしまうことがあるので気を付けるようにしてくださいね。
●お見舞い時は「励ましの言葉」で相手の気持ちを元気づけよう
お見舞いの時は入院している方はとてもセンシティブです。あなたが発する言葉一つにも敏感になってしまうことがあります。お見舞い中には「同情の言葉」は禁物といわれていて、相手を元気づける「励ましの言葉」を中心に元気づけてあげましょう。一日中病院にいるので、外の世界、例えば友人であれば最近のみんなの状況や、職場の同僚などであれば最近あった事などを話したり、相手の方が戻ってきたら「一緒にいつも行っていたランチをしに行こう」や「○○に旅行に行こう」など楽しい気持ちになれることを話したりすると良いですね。反対に病気やケガの具合を必要以上に聞いたり、「やせえた」、「顔色が悪い」など相手の方が気にしていることなどを話すことはかえって気分をダウンさせてしまう原因となりますので、相手に負担になるような会話には注意してください。
最後に
ちょっとしたことでも入院中の方には大きな誤解や気持ちのすれ違いとなってしまう事は多くあります。せっかくお見舞いに行き元気を出してもらいたい気持ちも、マナーを知らなければ不快な思いをさせてしまうことになります。お見舞いに行くときには相手の喜ぶ手土産を持って元気づけ、1日も早く元気に回復して退院されることを祈りましょう。