厄年になる年に祖父母や両親、会社の上司など自分より年齢が上の人から厄払いは節分の日までに行った方が良いなどといわれたことはないでしょうか。実際に、昔から厄払いは節分までにした方が良いといわれており、現在まで受け継がれているようです。ここでは、節分と本厄にはどのような関係があるのか? そしてなぜ節分までに厄払いをしなければならないのか?実際の厄払いはいつまでにするべきなのかなど、節分と厄年の関係についてまとめてご紹介したいと思います。
本厄とは?年齢は何歳?
本厄とはいわゆる「厄年」の事で、人生の中で厄災(よくない事)に遭いやすいとされる年齢の事をいいます。本厄(厄年)の前の年を「前厄」、後の年を「後厄」といい、本厄の前後を含めた3年間を災難や不幸が多く降りかかるという言われがあります。本厄の年齢はは男女で違い、それぞれ実年齢(満年齢)ではなく数え年で数えることが一般的です。
男性の本厄は25歳、42歳、61歳
女性の本厄は19歳、33歳、37歳、61歳
数え年とは実際の満年齢ではなく、昔から使われていた年齢の数え方で、生まれた時をすでに1歳として次の1月1日元旦には2歳というように歳を取るという数え方です。例えば11月に生まれた赤ちゃんはすでに1歳で、次の年の1月1日には2歳と数えるということになります。すなわち1月1日から12月31日までに生まれた赤ちゃんは1歳で、翌年の1月1日から12月31日までは2歳と数えるということになります。
この数え年ですが、地域や神社、お寺などにより満年齢で数えるところ、1月1日からではなく春分の日から節分の日までで年齢を数える地域もあるようですので、自分の住んでいる地域ではどうなのか気になる方は近くの神社やお寺などで確認してみることをお勧めします。
節分とは?
節分とは季節の移り変わる節目をさし、立春、立夏、立秋、立冬それぞれの前日の事をいっていました。昔の太陰太陽暦では立春を年のはじめと定めていたので、立春の前日の日の節分は現在でいう大晦日にあたる日として特に大切な日とされていました。そして現代ではこの立春の前の日の事を「節分の日」と定め、豆まきをして厄払いをしたり、悪い邪気を払い年神様と呼ばれる新年の神様を迎えるために行われたり、恵方巻きを食べるなど、私たち日本人にとっては季節の大切な行事の一つとなっています。
厄年のお祓いはなぜ節分の日までにいくとよいの?
●節分は鬼払い = 厄払いの日?
旧暦では立春は新年にあたる日なので、節分の日は大晦日となり季節の変わり目の他に1年の最後の日として重要視されています。昔は厄年も立春を数え年の初めの日とし、節分の日まででカウントしていましたので、今でも節分の日までに厄除けをして本厄を迎えるという習慣が伝わっているといえるでしょう。そして季節の変わり目には邪気が生じると考えられていたこともあり、節分に鬼払い(厄払い)をするようになったといわれています。鬼払いの風習は地方や習慣によって様々で、一般的に皆さんが毎年する炒った大豆を「鬼は外、福は内」といいながら鬼を払うところもあれば、恵方巻きを食べたり、魔除けのお守りを入口に飾るところなどさまざまな風習が現在でも残っていますね。したかって節分までに厄払いをしておくと良いということにつながっているようです。
●厄年は役年?
もともとの厄年はある年齢に達すると神事などに使えるとこができるという「役年」と考えられていたことがあり、「晴れ」の年齢と考えられ、めでたいとされるものでした。役年になると一人前の大人として扱われ、神社や村での催しごとなどにも参加していき、女性の33歳や男性の42歳では一定の地位に達したとされリーダー的存在となり、60代では年長者としての役を担うことになります。節分の時の節分祭などでは豆をまく側の仕事をになったりしていました。神様は穢れを嫌いますので役年になった人は穢れを落とすために役を払うという習慣ができたともいわれています。
上記の事柄などにより厄年のお祓いは節分の日までに行くと良いと良いといういわれがあるのですね。実際、本厄で厄除けする人の多くは新年の1月1日から節分の日頃までに厄除けをする方が多いという訳です。鬼を払い邪気までも払う節分は厄を払うのにも最適な日と言えます。節分に合わせて祈祷の機会を設ける神社やお寺も多くありますので、厄除け・厄払いを考えている方は節分の日までに厄払いをしておくと安心がさらに増すのではないかと思います。
厄払いが節分までにできなかったらどうしたらよい?
厄払いに行くのが節分までに諸事情ですることができなかった場合、後から厄払いをしても意味がなくなってしまうのでしょうか?と考える方は多くいるかと思いますが、実際には新年から節分までに厄除けをしておくのが望ましいということですので、もしも厄除けをしたい気持ちはあるのに、行く機会を逃してしまっていた方はできるだけ早めに時間が出来た時に行くようにしましょう。たいていの神社やお寺では厄除けや厄払いは1年を通して受付をしています。気にかかっているまま日々を過ごすよりは、時間が出来た時にしっかりとお祓いをしておけば、その後の厄年の期間中も安心して過ごすことができるので不安な気持ちはできるだけ早めに取り除きたいものですね。
●厄年の自宅での豆まきの豆知識
厄年の人が家族にいる場合は厄年の人に鬼をしてもらうと厄払いにつながるといわれています。厄年の人が豆をまくと、豆に邪気がうつってしまうので、家に厄を落としてしまう事になりかねません。したがって、厄年の人が鬼になって豆をまいてもらい、厄を豆にうつして厄払いしてもらいましょう。神社などでの豆まきは参加して問題ありません。
最後に
厄年にあたる人は節分に豆まきをする事によりその災難を落とす効果があるといわれたり、鬼の役をして神聖な豆を投げてもらい厄を追い払うといういわれがあったりします。自分が厄年を迎える時は是非節分の日の豆まきで鬼の厄になって豆を投げてもらい厄を追い払ってもらうのも良い厄払いになりますね。節分と本厄は昔から深い関係があったということが今でも伝わっているといっても良いようですね。