自分の身近な人が病院での入院生活を終え、退院する際に病気やケガの快復を祝って「退院祝い」を贈ろうと考える方はたくさんいると思います。退院祝いに贈る品は決めたけれど、実際に退院祝いの品につける掛け紙はどのようにしますか?と聞かれたときに、どのようなのし紙を使って、表書きをどのように書けばよいかわからないという方は多いのではないでしょうか。せっかく退院を祝って贈るお祝いの品がのし紙のマナーや書き方によって相手の方に不快な思いをさせることになってしまうことの無いように、しっかりとしたマナーで退院祝いを贈りたいと考えるのは皆さん同じだと思います。ここでは、そんな退院祝いの表書きに関して、相手の方の快復具合や体調により変わってくる表書きに関して、詳しくまとめてご紹介したいと思います。
そもそも退院祝いとは?
退院祝いとは、今まで入院していた方が退院した際に本人の快復をお祝いする気持ちを込めて贈る「プレゼント・贈り物」のことをいいます。中には入院中にお見舞いに行くことができなかった場合など、「お見舞い」に代えて退院祝いを贈ることもあります。事情があってお見舞いに行きたくても行けなかった場合はここでしっかり「退院祝い」をすることで相手の方に「あなたのことを気に掛けています」という気持ちを伝えることができる場となるでしょう。
退院祝いにおける「のし紙」
退院祝いに使う「のし紙」は慶事用の「掛け紙」を使いますが、一般的に慶事用の掛け紙は、掛け紙の右上に縁起が良いとされる「熨斗鮑(のしあわび)」(カラフルな六角形の飾り)が付いています。しかし、退院祝いには「熨斗鮑(のしあわび)」はつけない方が良い地域などもあります。理由は「熨斗鮑(のしあわび)」は鮑をのばして干したものを用いている為、その、「のばす」という意味が「病気やけがを長引かせる」という意味合いで受け取ってしまうので付けない方が良いという地域やご年配の方もいらっしゃいます。マナーに厳しい方に贈られる場合は事前にその地域のしきたりなどを購入先のデパートや商店などで確認するか、「熨斗鮑(のしあわび)」が付いていない紅白の水引のみの掛け紙を選んでおくと無難かもしれません。
退院祝いの水引の種類は?
水引とは贈り物などに付ける飾り紐のことをいいます。デパートや商店で購入した際に掛けてもらう掛け紙を使う場合には、水引が最初から印刷されていることが多いですが、水引の結び方が贈り物により変わってきます。例をあげると結婚式などの場合は、一度だけで繰り返さないようにとの思いを込め、二度とほどけないように硬く結び、ほどくのが難しい「結び切り」という結び方を使用します。そして、出産祝いや一般的なお祝いの贈り物などには、何度あってもよいという意味から、何度でも結んだり、結び直しができるという「蝶結び」を使用します。退院祝いでの水引は、ケガや病気が再び繰り返しておこらないようにとの思いを込め、一度結んだらほどけない「結び切り」を使用し、水引の色はお祝い事となりますので、紅白のものを使用します。そして水引の本数は一般的に紅白5本のものが多く使われ、7本のものを使う地域などもあるので、水引の本数は5本または7本と覚えておくと良いでしょう。ちなみに弔事の際は白黒、または双銀の色の水引2、4、6本と偶数のものを使用します。水引は、結び方など間違ったものにしてしまうと相手の方に大変失礼になってしまう事がありますので、十分注意するようにしましょう。
相手別退院祝いの表書き
退院祝いの表書きを決める際には、できるだけ退院後の相手の方の体調や快復具合を確認してから表書きを決定するようにしましょう。
●一般的な退院祝いの表書き
「祝御退院」・・・相手の方の様子が分からない場合や引き続き自宅療養が必要な場合でも使えます。
●相手の方が全快とわかっている場合
「祝全快祝」
●退院から1ヶ月ほど時間がたってしまった場合
「祝御快復」「御快復祝」
●退院から1ヶ月ほど時間がたってしまっている場合で、現在も自宅療養中の場合
「祈御快復」
表書きで注意すること
よく間違えやすい表書きとして、「快気祝い」があります。病気やケガが治ったから贈るので、表書きは「快気祝」でしょう?と思ってしまっている方実はすごく多いです。筆者自身も危うく間違えそうになったことがあります…。「快気祝い」とは入院していた本人が「退院して全快しました、入院中はありがとうございます」という気持ちを込めて入院中にお見舞いに来てくれた方へ贈るもので、入院していたに退院のお祝いの気持ちを込めて贈るための表書きではないので間違いのないように注意する必要があります。
最後に
退院祝いは入院していた方の快復をお祝いして贈り物をすることです。相手の方に心から喜びとお祝いの気持ちを伝える為にも、のし紙や水引、表書きのマナーはしっかりとして相手の方に失礼のないように退院祝いを贈ってみてはいかがでしょう。