一般的に弔事やお祝い事を執り行う日の日取りを気にする方は昔から多くいるのではないでしょうか。お葬式やお通夜であれば「仏滅」や「友引」の日は避けるようにするなどと言われますが、お墓参りや法事の日取りなどは関係あるのでしょうか?ここではそんな「仏滅」や「友引」の日にお墓参りに行くことに関して、行っても良いのか、行かない方が良いのか、そして仏滅や友引などが使われている六曜に関してご紹介したいと思います。
「仏滅」や「友引」の使われている「六曜」って何?
よく私たちが使う「大安」や「仏滅」、「友引」などは、「六曜」という中国より我が国へ伝えられた「その日の吉凶を見る占いの一種」のようなものと思っていただくとわかりやすいかと思います。日本へは江戸時代の中期より広まった陰暦の注釈と言われています。この「六曜」には「先勝」、「友引」、「先負」、「仏滅」、「大安」、「赤口」の六つの呼び名があり、それぞれに意味があります。この「六曜」、現在の日本においても影響力があり、“結婚式は大安が良い”や“お葬式の日取りに友引は避けた方が良い”など冠婚葬祭などの儀式において関連づけられていることが多いです。中には、何かお祝いの品を購入するときは“大安が良い”や“お見舞いは友引はやめた方が良い”など個人でも縁担ぎとしてこの「六曜」を気にする方はたくさんいることも事実です。 仏事とも関係があるのかと思われがちですが、実際の所は、仏教の教えなどとは関係がなく、「六曜」が仏事などの物事を左右することはありません。なぜこの「六曜」が私たちの生活の中でとても広まっていったかは、実は” わかりやすい” というのが一番の理由のようです。日の吉凶を見るものは六曜だけでなく、七曜、二十八宿などさまざまなものがあります。これらはすべて中国から伝わった陰陽五行説に基づいている物で、独自に日本で変化している、または旧暦のものを新暦に当てはめている事が多いです。
「六曜」での「仏滅」や「友引」の意味は?
●友引
友引は(ともびき)と読みますが、元来の意味は勝負事などで何事も引き分けになる日(共引)であったのが、陰陽道の災いが共に及ぶとするという「友引日」と六曜の友引が混同され「凶事に友を引く」となってしまったようです。慶事では幸せのおすそ分けという意味で結婚式の引き出物などをこの日に配送する人も多くいます。日本では「友を引く」という意味合いがあるので、友引にお葬式はしない方が良いなどという言い伝えもあり、友引の日には火葬場が休業していましたが、現在では休業をしなくなったところも増えているようです。
●仏滅
六曜の中では最も凶の日とされています。何をしても悪い日で「物滅」と呼ぶ日でしたが、近年になって「仏」の字があてられたものです。この日は結婚式などを避ける習慣がありますが、「物滅」としては物がいったん滅んで、新たに物事が始まるとされ、「大安」よりも物事を始めるには良い日との解釈をする場合もあります。
上記のように現代の私たちの知っている六曜は本来の意味とは若干変わってしまって、悪く言えば自分たちの都合の良いように内容を変えてしまっていると言っても良いのかもしれません・・・。
「仏滅」や「友引」にお墓参りに行っても良い?
上記の内容から見て、実は仏教上、「仏滅」や「友引」にお墓参りに行くことに関しては、何の問題ありません。しかし、個人として以前よりとてもこの「六曜」を気にされて来たり、「六曜」の迷信を信じられてきた方は問題がないと言われてもあまり気が進むものではないと思います。したがって自分の思いで「仏滅」や「友引」にお墓参りに行くことを決定されるのが一番良いというのが現代の人々の考え方と行ってよいでしょう。お墓参りに行きたいけれども、その日はカレンダーでは「仏滅」や「友引」。ご自身でお墓参りに行きたいと思う気持ちや虫の知らせがあるようであれば行くべきですし、「仏滅」や「友引」なのでお墓参りは控えた方が良いという気持ちが強ければ行かなければ良いのです。お墓参りは基本的にいつ行っても良いものです。ご先祖さまや故人を偲ぶ気持ちがある時や、人生での分かれ道でどのようにしようか悩んでいるとき、進学や昇進などの報告をしたいとき、お墓参りをして自分とも向き合う事が出来れば迷信などはあまりこだわらなくてもよくなるかと思います。
お墓参りに向かない日はある?
基本的にはお墓参りをしてはいけない日はありませんが、控えた方が良い日や時間帯はあります。
●12月31日の大晦日
お寺などは新年の準備で大忙しの時期ですので、は出来れば30日までに年末のお掃除やお墓参りは済ませるようにしたいものです。
●新年の初詣のついでのお墓参り(ついで参り)
初詣のついでのお墓参り(ついで参り)は良くないといわれています。なぜかというと、ご先祖様を優先していないととられるからです。したがって、元旦であれば、「お墓参りをしてから初詣に行く」などというように、お墓参り優先の初詣にするとよいでしょう。
●その他
その他は向かない日というよりはお墓参りに行く時間です。お寺や霊園などは時間帯によっては門がしまったりする場合もありますので、お墓参りはいつ行っても良いとは言うものの、時間外となっては入ることもできませんので、注意が必要です。
最後に、
お墓参りは地域や風習、宗派などによってもお参りの仕方や、いつ、どんな時にお参りをするかは様々です。「六曜」の、「仏滅」や「友引」は気にしなくても良いという事は理解できたと思いますので、あとは自分自身の心と相談して決定していただければと思います。