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御仏前 包み方と渡し方のマナー

葬儀や年忌法要の際に故人への線香や供花の代わりにお供えする意味合いのある御仏前。そんな御仏前としての金銭を香典袋へ入れてそのままハンドバッグやポケットカバンなどに直接入れ、むき出しにして遺族の方へ渡すことはマナーが良くないとされています。弔事の経験が少ない方にとっては、どのように持って行き、渡せばよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、御仏前にお供えする香典袋を包む袱紗(ふくさ)に関して、どのように包むか、そして遺族の方へ渡す際にどのように渡せばよいかなどをご紹介したいと思います。正しいマナーで御仏前を渡すことができるように参考にしていただければ幸いです。

香典とは?

香典とは弔事の際に不祝儀袋に金銭を包んだもので、故人のために線香や供花などの代わりにお供えするものです。現在では葬儀にかかる費用も高額なことが多いですし、遺族が参列者に振舞う食事(お斎/おとき)なども用意しなければならないため、金額的な負担もかなりかかります。したがって、現在の香典の意味合いは個人への供養の気持ちと遺族への金銭的な弔意金という意味合いが強いものといってよいでしょう。

不祝儀袋を包む袱紗(ふくさ)とは?

袱紗(ふくさ)とは、贈り物の金品などを包んだり、覆うのに使用する方形の絹製布の事を言います。昔は貴重品などが入れられた箱の上に掛けられていた風呂敷で、その風呂敷が贈答品を運ぶ時の汚れや日焼け防止として用いられるようになったのが始まりです。現在では包装・覆いとしての実用性を超えて、熨斗袋(のしぶくろ)の水引がくずれたり袋が皺になることを防ぐために使い、先方の心中を重んじ、喜びや悲しみを共にする気持ちを示す意味や心遣いを表しています。

袱紗にはいろいろな色があるけれど、どのように使え分けるの?

袱紗には慶事、弔事で使用する色が異なります。間違えて使用すると失礼にあたりますので

事前に確認してから選び、使用してください。

 

●袱紗の色

慶事:紫色、赤色、朱色、桃色、ローズ、えんじ色、金色等赤系などの暖色

お祝い事にふさわしい華やかな色合いの暖色を使います。

弔事: 紫色、深緑、緑色、うぐいす色、紺色、藍色、グレー、等青系などの寒色

しめやかな場にふさわしい落ち着いた色合いの寒色を使います。

紫色は慶事、弔事どちらも共通で使用可能ですので1枚持っていると色に迷うことなく利用でき、とても重宝します。

●袱紗の種類

販売されている袱紗には方形の物だけでなく、使いやすく進化したものもあるのでどのようなものがあるか紹介します。

金封ふくさ(略式ふくさ):財布状になった金封を挟み入れるもの

台付き袱紗:内側に金封をとめるお盆(台もしくは板)とそれを包んでいたものが合わさったもので不祝儀袋の四つ角をズレたりしないように固定して包むことが出来ます。 ※台もしくは板は裏表の色を使い分けて慶弔両方で使えるデザインのものもあります。

袱紗:一般にはちりめんや絹製でできていて、角の1つには紐と止め具があるものもあります

袱紗の包み方

実際に不祝儀袋の包み方を確認します。

  1. 袱紗の四隅が上下左右に来るように袱紗を置きます。
  2. 不祝儀袋を袱紗の中央から少し右の方へ寄せて置きます。
  3. 開いている袱紗の四隅を右、下、上、左の順に折りたたみます。
  4. 右側のはみ出した部分を内側に折り、完成です(右の上下に小さく三角形ができます)。

●台付き袱紗の包み方(爪付きタイプ)

  1. 台もしくは板の色が地味(寒色・ダーク系)の方の面を上にして袱紗の爪を左側に置きます。
  2. 不祝儀袋を台の上に置きます。
  3. 開いている袱紗の四隅を右、上、下、左の順序でお折たたんでいきます。
  4. 爪を止め糸にかけて完成です。

 

●金封ふくさの包み方

慶事は右開き、弔事は左開きで使います。

使い方はお財布状になっているポケットの所へ不祝儀袋を入れて使います。

※慶弔共用の金封袱紗の場合、弔事で使う場合は左開きになるように向きを変えて利用してください。

 

香典袋の出し方

  1. 受付で右手の上に袱紗を乗せ、左手で袱紗を開きます
  2. 右手のひらに不祝儀袋を置き、左手で袱紗を開いて取り出す
  3. 相手からのし書きが読めるよう、半時計回りに向きを変えたたんだ袱紗の上に不祝儀袋を置き、両手で渡します。この時、落ち着いてゆっくりと行動し、差し出す際に一礼をして「この度はご愁傷さまです」など挨拶の言葉を述べましょう。

※弔事の場合、不祝儀袋の渡し方、包み方は慶事と比べて左右が反対となります。

突然の事で袱紗がないときはどうしたらよい?

急な事で袱紗を用意する時間などがないという場合は小さな風呂敷やハンカチを代用して包むことが可能です。袱紗がないからといってむき出しのまま持っていく、もしくはのし袋を購入した際に入っていた透明のビニールの袋などに戻して持って行くなどという事はかなり失礼になりますので気をつけましょう。

●ハンカチを使う場合の注意点は、皺くちゃのまま使用しない

●フリルが付いていたり派手なものは避け、落ち着いたダーク系の色を使います。(緑、紺、グレーなど)

包み方は袱紗の包み方と同じです。

左開きになることを間違えないようにしましょう。

最後に

正しい袱紗の包み方や渡し方、そして袱紗の色など色々決まりごとがありますが、社会人としての礼儀作法と思い、当日に慌てて恥ずかしい思いをしない為にも、事前に予行演習してしっかりとした大人のマナーで対応できるようにしたいものですね。

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