結納の日は結納の式を終えた後に通常両家で会食をすることが一般的ですが、自宅で結納をする場合、相手のご家族にいらしていただくということもあり、結納の式の後は自宅で食事を用意したり、近くの料亭や食事処に会食へ出かけるという流れとなります。結納を終えた後にまた両家のみんなで移動する事などが大変だし、せっかくお越しいただいたので、ゆっくり自宅でおもてなししたいというご家庭も多いかと思おいます。そんな時に一番悩んでしまう事はどのような食事を用意したらよいかということやどのような食材を使って料理をすればよいかということだと思います。ここでは、自宅で結納をし、その後の食事も自宅で用意しようという方のために食事の用意の仕方やおすすめ食材、その料理の調理方法などをまとめてご紹介したいと思います。素敵なおめでたいメニューでおもてなしをしてさし上げてみてはい方でしょう。
結納とは?
結納とは、双方の家が婚姻関係を結ぶために行われる伝統的な婚約の儀式です。一般的な結納には、昔ながらの「正式結納」と現在主流となっている「略式結納」の二種類あり、さらには地域によっても違いが出てきます。「正式結納」は両家を取り持つ仲人を立て、仲人が両家の間を行き来して、両家どうし直接顔を合わせることなく結納品や受書のやり取りをします。「略式結納」は仲人を立てず、結納を受け取る新婦側の自宅に新郎の家の両親などを招いたり、自宅で行わない場合は料亭やホテルのレストランなどの場所で両家が集まり、その場所で結納品を納めるという形式で行われます。
自宅での結納の食事準備と注意点
自宅で結納の食事の準備をする際にはすべて自分たちで料理するということも可能ですが、当日は色々と結納の準備などもあるため、バタバタすることも考えられます。できるものは外注して用意するということを念頭に入れて用意すると意外と大変だと思ってしまう自宅での結納後の食事の準備も案外楽にできるということになりますので、ご参考にしてみてください。
●相手の家族のリサーチ
まず食事の準備をするにしても、相手の方の食の好みや好き嫌い、食物アレルギーなどあるかなどを事前に確認します。おめでたい席ですので、好みのお酒の種類なども聞いておくと良いでしょう。
●部屋の装飾食器の準備
自宅で食事会を行うには料理も大切ですが、部屋の雰囲気や食器などでもお祝い感やおもてなし感を出すことができます。お部屋には季節の生け花を飾ったりするのもおすすめです。そしてお祝いの席での料理はみんなで取り分けたりする大皿料理を出すのではなく「祝い膳」という一人ひとりに出す食事となります。人数分の食器を事前に用意しておく必要があるので自宅に小皿など同じ種類のものがしっかりとそろっているかなどの確認も必要となります。
●箸にも注意が必要
お客様が来た時に使う割りばしは二つに裂いて使うものなので、縁起が悪いといわれています。慶事用の割って使うものでない箸を用意するようにしましょう。小さなことかもしれませんが、気にされる方には悪印象となってしまう事がありますので注意しましょう。
●手抜きも大切
全て自分たちで料理を作るのは大変です。お刺身のお造りなどは近所に美味しいお魚屋さんがあれば祝い膳用にお造りにしてもらったり、鯛のお頭付きなどを出す場合も自宅で作るのは大変なので、お魚やさんやネット通販などを利用するということも可能です。
おすすめ結納祝い膳メニュー
祝い膳に出す料理のメニューとして大切なことはやはりおめでたいとされる食材や紅白などの色合いを大事にすることが大切だといえるでしょう。ここでは祝い膳としてホテルや料亭などで出されることが多い和食のフルコースを例にとりお食事メニューをご紹介したいと思います。全部出すのは難しいかもしれないので、メインとなりそうな焼き物や揚げ物をどちらか一つにしたり、各一皿の量を少なくして弁当形式に松花堂(しょうかどう)弁当箱箱などに盛り付けてテーブルに並べても見栄えよく出来上がることでしょう。
●祝い肴
祝い肴は懐石料理やおせち料理などで初めに出す料理のことで「口取り/口取り肴」ともいわれます。正月の祝い膳に酒肴で欠かせないのが「三つ肴」と呼ばれる三種でそれぞれ意味のある料理を用意します。関東と関西では若干内容が異なり、関東では数の子、田作り、黒豆の三種。関西では数の子、田作り、たたきごぼうが一般的です。時期によっては紅白のかまぼこや栗きんとん、昆布巻きなども縁起の良い食べ物なので、その中から3種を選んで祝い肴とするとよいかもしれません。
●お吸い物
仲の良い夫婦を表すといわれる二枚貝の蛤のお吸い物やピンク色の花麩と三つ葉のお吸い物、紅白はんぺんのお吸い物などお祝い料理にはお吸い物は欠かせません
●お造り
刺身を2,3種類小皿に盛り付けたものなど
●家喜物
家喜物は「焼き物」のことで祝い膳の際にはメニューにも縁起を担いで書かれたりすることがありますので、ちょっとした豆知識として知っておくと良いかもしれませんね。焼き物は魚であったり、肉であったり伊勢海老など、予算や皆さんの好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
●多喜物
多喜物は「炊き合わせ」の当て字で煮物のことをいいます。筍やどんこ、里芋、にんじんなどの具材で煮物を作り小皿に盛って出します。
●寿もの
酢の物として紅白なますやたことわかめの酢のもの、海老とわかめの酢のものなどが多く出されます。
●蒸物
蒸し物は茶わん蒸しが一般的です。具材に工夫などしたり、出来上がった茶碗蒸しの上に素敵なトッピングをしても素敵に出来上がります。
●挙物
挙物は「揚げ物」のことで天ぷらが一般的です。海老や野菜、白身魚のてんぷらやかき揚げなど具材はさまざまです。
●食事
主食としてご飯もののことを指し、白飯や白飯をきれいな形に形どったり、赤飯や炊き込みご飯、手毬寿司などでも彩りよく出すことができます。
●甘味
デザートとして季節の和菓子やケーキなどお好みで用意しておくと良いかもしれません。
料理が苦手な場合どうしたらよい?
上記のようにたくさんのメニューを用意するのは料理が苦手という方にとっては大変かもしれません。そんな時は暖かいものは自宅で用意してその他のものはデパ地下やお惣菜店、デザートももちろん地元の美味しいお店があればそちらで購入という事で問題ありません。食器なども用意がなく、お料理に自信がないときにはもちろん地元の仕出し料理店や通販などで用意するということでも問題ないでしょう。最近では通販でも立派な祝い膳を注文することができたり、すでに盛り付け済みで食べる前に温かくできる機能のある懐石弁当の通販などもありますので、ぜひインターネットで「温か祝い膳」などで検索して見てください。時間がない方にも最適です。
最後に
結納の儀式自体はそれほど時間がかかるものではなく、その後の食事会の方が両家がゆっくりと歓談しながら娘や息子、そしてそれぞれの家族の事などをゆっくりと話ながら過ごす時間の方が長くなります。二人の結婚に向けての第一歩となる両家での集まりとなりますので、和やかな雰囲気で過ごせるような結納の食事会にしていただければと思います。