故人の命日には様々な思い入れがあると思いますが、命日には祥月命日(しょうつきめいにち)や月命日があり、それぞれ意味や過ごし方が異なっていたりするのをご存知でしょうか。ここでは、故人を偲ぶためにそれぞれの命日にはどのような事をして過ごし、どの様なお供えをすると故人にとって良い供養になるのか、そして過ごし方の手順やマナーなどをわかりやすくまとめてご紹介していきたいと思います。
命日とは
故人が亡くなった日にあたる、毎月または毎年のその日。忌日(きにち)、祥月命日(しょうつきめいにち)ともいいます。ここでは、祥月命日や月命日に関して詳しくご紹介します。
祥月命日(しょうつきめいにち):
故人が亡くなった日と同月同日のこと。亡くなってから一周年目の祥月命日は一周忌、二年目の法要は三周忌といいます。その他、七、十三年などが重要な忌日であり、一般的に遺族や親族などは法要を行い、故人の冥福を祈ります。
※一周忌とは故人が亡くなって1年がたった法事で「●周忌」は亡くなってからの年数となり、2年目の法要は亡くなってからの法要の回数を数えるので3回忌となります。
月忌(がっき):
故人が亡くなった日と同日の毎月の日をさします。月命日ともいいます。月忌に行う法要を月忌法要といい、亡くなられてから最初の月忌は初月忌(はつがっき)と呼び、宗派や地域によっては毎月、月忌参り(がっきまいり)にお経をあげていただいたり、お墓参りをしている所もあります。
祥月命日にすること・できること
●仏壇の掃除
改めて普段のお掃除ではしないような細かい場所までお掃除して差し上げましょう。仏具の専用洗浄剤や艶出し剤などを使うとさらに磨きがかかり綺麗になります。お掃除の際の注意点は、まず仏間から仏壇、仏具などをすべて取り出し、鳥の羽のはたきやミニホウキなどで仏間や仏具すべての埃を丁寧に取り払い、仏具の洗浄剤などで綺麗に隅々まで拭き最後にワックスをかける(ワックスは3年に1度くらいの頻度で良いです)
●お仏壇に食べ物やお花をお供えする
故人の好きだった食べ物などを中心にお供えし、彩も少し綺麗なお花を飾って差し上げます。
●お墓参り
一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌などの節目の年には親族やお世話になった方などを招いて法要を営みます。お寺で営む場合はお経をあげていただいたり、その後のお斎(会食)準備、など事前に参加人数の確認や引き出物の用意など細かいことにまで注意を払えるように準備すると近くになって慌てずにすむので、できるだけ早めに予定を組むようにします。三回忌まではお世話になった方や故人の友人などを招くことが多いですが、七回忌以降は親族のみで行ったりだんだんお招きする方々も変わってきます。
●塔婆供養
塔婆とは、お墓の後ろ側に立てられる、1~2mほどの細長い木の板のことで、正式名称は卒塔婆(そとば)といいます。個人を供養するために用いられ、塔婆を立てることによって故人への追善供養をすると共に、自身の近況などを故人へ報告するための手紙の役割なども担っているといわれています。卒塔婆は以前に立てたものがたくさんたまったり、古くなったものはお墓があるお寺の住職の方にお焚きあげしてもらいます。
※塔婆供養は宗派や地域によって様々ですので事前にお寺へ立てられるかなどの確認が必要です。
祥月命日の過ごし方
祥月命日には節目の一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌などの法要をすることが一般的です。実際に祥月命日の日が週末でなかったりすると法要をその前の土日などに行う事も多くなっています。祥月命日当日には個人の好きだった食べ物やお花をお供えし、お線香や蝋燭を灯しながら家族そろって故人の生前の思い出などを話し、故人を偲ぶことが一番の故人にとっての供養になります。また、自分がとても仲の良かった友人などであった場合、故人のお宅へご連絡して、御仏前にお供えをもってお線香をあげさせていただいたり、友人同士が集まって生前の話を皆でしながら写真を見たりして故人を偲ぶことも、供養につながります。
月命日にすること・できること
●仏壇の掃除
いつものお掃除よりさらにもう少し丁寧にするくらいの気持ちでお手入れして差し上げると良いと思います。
●お仏壇に食べ物やお花をお供えする
お線香を焚き、普段のお供えに加え故人の好きだったものなどをプラスでお花などもお供えして差し上げると良いでしょう。
●お墓参り
自宅から近い場合などはおお墓参りをしてお墓回りも綺麗にして差し上げると、供養につながります。
月命日の過ごし方
月命日は毎月供養をして故人の事を思い返すことで、故人を変わらず大切に思い続けているという追慕の気持ちを改めて確認する日です。地域によってはお経をあげていただく家もありますが祥月命日のような供養を行うかどうかは地域やその家の家風などにより違いますので、必ず行わなければいけないという決まりはありません。月命日は毎月ずっと続くもので、一番大切なのは故人を思い出す事だと思います。楽しかった思い出や嬉しかった出来事など、故人を偲び感謝の気持ちと共に思い出す事が最大のご供養となることでしょう。
親戚・知人としてお仏壇へのお供え物を持って行くときのマナー
命日の日にお参りに伺うときには、事前に御仏前にお参りしたいことを連絡し、先方の都合を確認します。そして、お参りに伺う際は御仏前にお供え物を持参します。お供え物の決まりはありませんが以下の事に注意が必要です。
●日持ちのする菓子折りや果物(あまり派手な包装の物は控えましょう)
●魚や肉などの相殺をイメージするものは避ける
●お花などは真っ白な物ばかりでなく、季節のお花などを入れたり、故人の好きだったお花をお供えすることも良いでしょう
●お花は棘や毒のあるお花、赤い色や匂いのきつすぎるお花はマナー違反となります
お供え物をお渡しする際、自分で御仏前にお供えするのではなく、必ず家の方に「御仏前にお供えしてください」と伝えて渡しましょう。法要の場合は、「香典」をお渡しする場合と、「お供え物」を持参する場合があります、また地域によっては両方持参する場合もありますので、親戚や友人などに確認してみましょう。のし紙は地域によって水引の色などが違う場合があるので、購入する際にお店の人に確認します。表書きは「御供(ごくう)」、「御供物(ごくもつ)」などが一般的です。
最後に
命日の過ごし方は地域やその家風によっても様々です。命日で一番大切なことは故人との思い出を故人と繋がりのあった方々などが、場所はどこであり、懐かしみ偲ぶことです。御仏前にお供えをしてお参りし、家族で故人やご先祖様のお話を受け継いで感謝の心を忘れないという事はこれからもずっと続けて引き継いでいきたい、そして引き継いでいってほしいことですね。