新築祝いに自分の周りの方からお祝をもらうことって多いですよね。お祝いをいただいた場合、お返しをした方がよいかどうかわからないという方は多いのではないでしょうか。実は、新築祝いにいただいたお祝いは、頂きっぱなしではマナー違反だということをご存知でしょうか?通常、新築祝をいただいた場合、お返しとして内祝を贈ることが一般的です。ここでは、あまり知られていない新築祝いのお返しに関しての基本マナーや、のし・水引・表書きの書き方、新築内祝の金額相場などを詳しくまとめてご紹介したいと思います。
本来の新築祝いとは?
本来の新築祝いとは新しく家を建てた時に、親しい方や周りの皆さんを招いて出来上がった家をお披露目する事でした。その際には食事やお酒などをふるまっておもてなしをし、帰りに「感謝の気持ちと新築の喜び(幸せ)」のお裾分けとして手土産を渡したりしていました。
新築祝いはいつのタイミングでするのが良い?
新築祝いのお披露目をするのは皆さん転居する時期にもよりますが、住みだしてから1カ月から2カ月頃の 住んでいる自分たちの生活も落ち着いてきたころに行うのが良いでしょう。そして家の中や庭など紹介するときに見学しやすい時間帯(日中)に招くようにします。事前に新築祝いなどの品をいただいている場合は、招く際に飾っておいたりすると、贈った方がいらした際に自分の贈った新築祝いが飾ってあるのを見て、とても喜んでくれることでしょう。
新築祝いのお返しとは?
新築祝いのお返しは新築した家が完成した際などに新築祝いをいただいたり、新築祝いをいただいたけれども招待できなかった方などに新築内祝として「お返しを贈る事」をいいます。新築祝いで新しい家に招待した場合には基本的には食事やお酒などでおもてなしするのでお返しは必要ないですが、来ていただいた感謝の気持ちとして手土産(引き出物)を用意すると丁寧です。手土産は千円から2千円程の菓子折りやタオルなど消え物を用意します。高額なお祝いをいただいた方などには別途、内祝いとしてお返しを贈るようにします。もしもすぐに転居する予定が立っていない、または新築祝いの前にお祝いをいただいている場合には、頂いてから3週間以内位を目安として新築内祝を送るようにしましょう。
新築祝いのお返し基本マナー
●お返しをする際の「のし紙」
新築祝いのお返しは人生の中でもそう何度もある事ではないおめでたいお祝い事に対する幸せのお裾分けとお礼にあたる品です。しっかりと「のし」のついた掛け紙(のし紙)を掛けて贈るようにすることがマナーとなります。新築祝いのお返しに使う「のし紙」は、掛ける紙の右上にある“六角形のカラフルな飾り(熨斗鮑)”が付いたものを使用します。現在では黄色い紙を長六角形の色紙で包んだ形のものが多く使われていて、ご祝儀袋や掛け紙の表面右上に簡略化して印刷されたものが一般的です。
●「のし紙」の水引
新築祝いのお返しに使う水引は紅白または金銀の水引で本数は5本または7本の水引にします。一般的には5本を使うことが多いですが、5本を基本とすると、7本はより丁寧な贈り物ということになりますので、それなりの金額のお返しだったり、目上の方への贈り物の際は7本にしても良いかもしれません。しかし、通常購入先で「のし紙」はかけてもらうことが多いので、水引の本数を選ぶことができる場合は、誰に どの位の金額の品を贈るかで水引の本数を変えてみても良いでしょう。ちなみに水引には、「結び切り」と「蝶結び」の2種類があり、「結び切り」は一度結んだらほどけないことから、結婚、弔事、病気見舞いなど、二度と繰り返されないことに使います。「蝶結び」はほどいて何度でも結び直せるということから、出産・新築など、何度あっても嬉しいことに使うので、新築祝いのお返しには蝶結びの水引を使います。
●「のし紙」の表書き
新築祝いのお返しには水引の上段に「新築内祝」または「内祝」という表書きを使います。水引の下段には送り主の姓を書きます。もしも二世帯住宅などの場合で違う姓を連名で書く場合、親の姓が右側に来るように書きます。
●品物の包み方
新築内祝ののし紙を付けてもらうときに、購入先のお店で「内のし」と「外のし」どちらにしますか?などと聞かれた場合は「内のし」でお願いしましょう。「内のし」とは品物にのし紙を掛け、その上から包装紙で包むことで、内祝は身内のお祝い事などの良い事のお裾分けという意味の贈り物になりますので、控えめな贈り物として「内のし」をしてもらうことが一般的です。
●新築内祝にはお礼状を添えて
新築祝いをいただいた方へのお返しの内祝いには品物を渡すだけではなく、新築のお祝いをしてくださった感謝の気持ちをお礼状やお礼のメッセージカードと共に贈るようにすることがマナーです。親しくしている友人などへのメッセージも基本は敬語で書くようにしましょう。メッセージカードの場合には頭語や時候の挨拶、結語などは省略し、新築祝いをしていただいた感謝の気持ちや今後の変わらぬお付き合いのお願いなど主な内容が記載されていれば問題ありません。お礼状を書く際には頭語や時報の挨拶で始まり、新築祝いのお礼や感謝の気持ち、相手へ贈る内祝いに関して、今後の変わらぬお付き合いのお願い、結語などとお礼状の基本構成で書くようにすれば間違いありません。
●新築内祝の金額相場
新築内祝いの一般的な金額相場は、他の内祝いと同様に、いただいたお祝いの三分の一から半額程度が相場となります。ただし、高額のお祝いをいただいた場合(特に身内の場合)は、お祝いを贈ってくれた方の気持ちをありがたくいただき、あまり相場にはこだわらず、その家の習慣や決まりなどでお返しをするようにします。その他、頂いたお祝いの品の金額が分からない場合は、大体の相場で三分の一から半額程度のお返しを考えるようにします。
最後に
新築祝いのお返しの品には特別なタブーな品などはないようですが、一般的に縁起が悪いとされるものは避けたほうが無難です。あくまでも御祝をいただいたことに対する感謝の気持ちと良いことのお裾分けをする気持ちとなりますので、あまりにもきっちり金額にこだわってお返しをする必要はありません。内祝いのマナーをしっかり守ってこれからも皆さんと良い関係を気付いていけるようなお返しの品を贈っていただければと思います。