自分の身近にいる会社の同僚や友人、親戚などが念願のマイホームを手に入れた時、盛大に新築のお祝いをしてあげたいと思うのは皆さん同じ気持ちではないかと思います。しかし、新築祝いといってもあまり経験したことがない方も多く、現金を贈るときの相場や新札、または古いお札でもよいのか、ご祝儀袋はどのようなものを使えばよいのか、表書きは?などさまざまな疑問がでてくると思います。疑問はあるけれど、社会人としてあまり「人に聞くのも恥ずかしい」と考える方も多いのではないかと思います。 ここでは、そのような方に役立つ新築祝いに贈る現金に関して、新札か新札でなくても良いのか、そしてどのようなマナーで贈れば良いかなど、基礎知識をまとめてご紹介したいと思います。
新築祝いとは?
新築祝いとは新しく家を新築したり、新築マンションを購入した人へ、その家族が「安全で末永く繁栄するよう」お祝いの気持ちを贈ることをいいます。家を新築、購入することは人生の中でも大きなお買い物、そしてステップアップとなります。そんな特別なお祝いを身近にいるあなたも一緒に喜んでお祝いしてあげたいものですね。新築祝いと間違えやすいのが、中古の一戸建てやマンションを購入した場合です。「新築祝い」とするのは新築一戸建てや新築マンション購入に関して贈るものですが、中古一戸建てや中古マンション購入の場合は「新築祝い」ではなく「新居祝い」や「引っ越し祝い」としてお祝いすることが一般的となりますので、しっかり区別して、間違えないようにしましょう。
新築祝いで現金を贈るときの相場は?
新築祝いを贈るときの金額相場ですが、お付き合いの度合いや新築祝いを贈る側のあなたと相手の関係性によっても金額が変わってきます。新築祝いを現金で贈るときの注意点は、基本的にお祝いを贈るとお返しをすることになりますので、あまり高額な新築祝いをしてしまうと、かえって相手の方に気を使わせてしまうことになったり、負担となってしまうこともありますので、相場を一つの目安として贈り物を選ぶと良いでしょう。
・友人:5千円から1万円
・職場の同僚/上司:5千円から1万円
・ママ友:2千円から5千円
・身内、(自分の両親や子供):5万円から10万円
・自分の兄弟・姉妹や親戚: 3万円から5万円
身内や兄弟、姉妹などは、家の習慣などでその家の中で兄弟や親戚同士など、だいたいの金額が決まっている場合などがある事がります。そして配偶者の方の両親や兄弟の場合でも、自分の家族とは全く違った価値観であったりする可能性もありますので、まずは周りと相談してから金額を決めるようにすることをおすすめします。
新築祝いで包む現金は「新札」でなければいけない?
これは忙しい方にとっては微妙に気になることだと思いますが、新築祝いで現金を包む場合は「新札」を贈るということが一般的なマナーとなります。なぜ新築祝いに新札を贈るのかというと、一般的なお祝い(結婚式や出産祝いなど)の場では、事前に御祝をする時期が変わっていることが多く、「この日のためにお祝い(新札)を用意しました」という気持ちを込めて贈るため、お祝いすることを心待ちにしていましたということにつながるからです。反対にお葬式やお通夜などの香典は「用意する間もなく駆けつけました」という意味合いを込めて折り目のついたお札を使うことがマナーとなります。
●新札はどこで用意できる?
新札って意外と必要な時に手元になかったりすることがありますが、実際しっかりと事前に用意するとなるとどこで用意することができるかご存知ですか?何となく銀行で交換してもらえるというのはわかりますが、郵便局でも交換してもらうことができます。銀行によっては新札に両替ができるATMがあったりするので、そのようなものがあると並ぶ手間も省けて良いですよね。時間がなくてどうしても用意できなかったときは裏技としてそれほどよれていないお札にアイロンを低温でかけると新札同然になるということもできますが、あくまでも最終手段で自己責任で行うようにしましょう。(偽造防止のために1万円札と5千円札に印刷されているピカピカ光るところはアイロンをあててしまうと機械で使えなくなってしまいますので、注意してください)
新築祝いではどのような祝儀袋を使えばよい?
新築祝いで使う祝儀袋はお祝い事にあたりますので、熨斗鮑付き(右上にカラフルなマークがあるもの)で水引(袋の中央で紐を結んである紐のこと)は何度あっても喜ばしいという気持ちを込めて「紅白の蝶結び」のものを使います。蝶結びはほどけても何度でも結びなおせるという意味から使われています。ちなみに結婚式などでは、一度結んだらなかなかほどけない「結び切り」のものを使い、一度きりで何度も繰り返されることではないようにとの意味を込めて、結び切りの水引になります。
新築祝いの表書き
新築祝いでの祝儀袋の表書きは
・新築一戸建ての場合:「祝御新築」、「御新築御祝」、「新築御祝」
・新築マンションの場合:「新築御祝」、「御祝」
・新社屋やビル、会社の建物を新築の場合:「祝御落成」、「祝社屋新築落成」、「新築完成御祝」
・中古の一戸建てや中古マンションの場合:「御引越御祝」、「御新居御祝」、「御祝」
間違えやすいのは中古の一戸建てや中古マンション購入時のお披露目や入居後のお祝いに関してです。中古の場合の表書きは、「新築祝」とはなりませんので注意が必要です。
中袋の書き方は?
中袋とは、一般の封筒のように上部に開口部がある袋状のもので、ご祝儀袋の中のお札を入れる袋のことをいいます。お祝い金を相手に贈るときに中身が分からないようにするためのものです。封筒になっていないもので、お金を包むタイプの中包みのタイプもありますので、その際は折ってあった通りに開いてお金を入れてから同じように戻すようにします。
●中袋表面に金額を書く場合:
住所氏名は裏に書くようにし、中袋表中央に縦書きで金額を記載。住所は裏中央より左側に住所、さらに左下側にフルネームを縦書きで記載します。
●裏面に金額も住所氏名も書く場合:
中央より右側に金額を縦書きで記載。中央より左側に住所、住所左下にフルネームを縦書きで記載します。
市販の封筒などではあらかじめ金額を記載する場所が決まっているものがありますが、金額だけでなく住所、氏名も記載するようにしましょう。相手の方がお礼状などを贈る際に役立ちますし、相手にとって丁寧な対応となります。
●金額の書き方
中袋に金額を書くとき、以前は漢数字の大字で書いていましたが、現在では普通の漢数字で書く方も多くなってきているようです。金額を漢数字の大字で書く場合、例えば1万円の場合には、金壱萬円または金壱萬圓などと書きます。金額の後に「也(なり)」はつけてもつけなくても構いません。
漢数字大字の書き方:1:壱 2:弐 3:参 5:五または伍 7:七 8:八 10:十または拾 100:百 1000:仟または阡
10000:萬 その他:円を圓と書くことも
中袋へのお札の入れ方
せっかく用意した新札、とご祝儀袋。ここまでしっかりできたのだから、最後までキッチリ、ということで中袋のお札の入れ方までしっかりとしてしまいましょう。お札の入れ方は、ご祝儀袋の内袋の表(金額を書く面)とお札の表(肖像画がある方)を同じ面にして、お金を出したときに肖像画が初めに出てくるようにしましょう。ここまでしっかりできれば完璧ですね。
最後に
大切な方やいつもお世話になっている方の新築のお祝いを現金で渡す機会はそれほどたくさんあるということではないと思いますが、お祝い事に現金を渡す際には新札で渡すことが基本ですので、すぐに用意できないときの裏技などを心得ておくといざというときに意外と役立ちますので、ぜひ参考にしてみてください。