上棟式では式の最後に家の工事に関わってくれる職人さん方に心付のご祝儀や手土産を持って帰ってもらう事が多いですが、昔からハレの日のお祝い事には御神酒を使うということが通常なので、手土産のお酒も御神酒が良いのか、もしくは日本酒よりビールの方が良いのかなど、どちらがよいか悩んでしまうという方は多いのではないでしょうか。昔からめでたい席には日本酒が贈られることが多かったのですが、御神酒は上棟式のみで使って、お酒の代わりに最近ではビールを持って帰っていただくことが主流となっているようです。ここではなぜビールを手土産にするのが多くなっているのかや、どの位の量をどのようにして渡すと良いかなどをまとめてご紹介したいと思います。
日本酒の代わりになぜビールが喜ばれるの?
昔は、お酒は大人になった証として初めて飲めるものであったり、結婚式のお祝いでもお正月でも、それぞれお酒は飲まれます。そして新しい家を建てる時の儀式にも必ず神酒をその土地の神様に祀り、職人さんや施主共々建築の無事や良い家になるよう祈り祝います。このように、人生における様々なお祝い事の場でお酒はなくてはならないものですが、上棟式の場合、儀式には神酒を使います。しかし職人さんや工事に関わってくれている方々に手土産として持ち帰ってもらう品物の内容に関しては、日本酒よりビールの方が喜ばれるようになっています。なぜかというと、職人さんの年齢が年々若くなっているということもあり、お酒をあまり飲まないが、ビールは飲むということであったり、小さな小瓶の日本酒を1本もらっても飲まないので使い道に困ってしまったりするという理由があるようです。反対にビールの方は大体の方は飲まれるという事をはじめ、工務店やハウスメーカーの担当の方に手土産はどのような物が良いかを聞いてみたりすると日本酒よりビールの方が職人さん方は喜ばれます、という返答が帰ってきたりするので、施主の方も最近は日本酒よりはビールを配る方が多くなっている傾向にあります。
どの位の量を用意して手渡せばよい?
ビールと決めたのは良いけれど、本数は何本くらいで何ミリリットルのものを用意すれば良いのだろう?特に決まりはないけれど、ビールをバラに数本渡されても帰宅途中で飲みながらかえってしまったりするようでは渡した方も困ってしまいますね。したがって、ビールを贈る場合は350mlまたは500mlの缶ビールが6本パックになったようなものを選ぶと良いでしょう。
のしはかける?表書きは?
もしも用意できる場合はのし紙を付けて渡します。購入先で一応、上棟式で使うのでという話をしてみて、熨斗を付けてくれるようであればつけてもらうようにします。水引は紅白の蝶結びのものを使い表書きは「御祝」としておけば問題ありません。
銘柄のお勧めなどあるの?
ビールは銘柄も豊富なので迷ってしまいますが、味や自分の好みもさることながら、贈答という観点で見るとやはり普段はちょっと高級で…など言うビールが選ばれているようです。もちろん王道の定番品もあるので、何点かご紹介したいと思います。
●エビスビール
缶には恵比須様がプリントされていて一目見ただけで“お祝い事には縁起もよさそう!“という気持ちにさせてくれるエビスビール。ゴールドのデザインが高級感があるのでお祝い事である上棟式にはぴったりという意見が多いです。
●ザ・プレミアム・モルツ
一般に売り出されているビールの中でも少し高めのビールなので、味の好き嫌いは分かれるかもしれませんが、お土産としていただけるのであればちょっと嬉しい気持ちになるビール。
●スーパードライ
こちらは定番中の定番。辛口ビールですが、男性からの支持はナンバーワンです。何にしようか迷ってしまっている場合はとりあえずこれを選んでおけば無難といっても良いかもしれません。
●キリン一番搾り
こちらも定番ビールと行ってよいでしょう。辛口が苦手な方には一番搾りが良いかもしれません。こちらも何にしようか迷ってしまった場合にはお勧めの銘柄といえます。
ビール券でもよいの?
現場まで車で来ている職人さんも多くなっていますので、帰りの車ですぐにビールに手が出てしまうなんて言う事があると問題になってしまいますし、お酒を飲まない方もいるかもしれません。そんな時はビール券という手もあります。ご祝儀を渡す習慣がない地域の方などは、ご祝儀の代わりにビール券を渡すという手もあります。ビール券はお酒を飲まない方であればジュースなども購入できますので、金額が多少多めの予算であればビール券は荷物にもならないので喜ばれること間違いなしです。ただし、ビール券を1枚2枚もらっても交換に行くのに面倒ということになるので、あくまで何枚かまとめて渡すことができる場合に使うと良いですね。1枚のビール券は大瓶2本(850円)、缶2本(539円)という設定になっています。
最後に
昔からお祝い事の引き出物として渡されてきた紅白饅頭やお赤飯、お酒ではなくビールを手土産として渡す場合、紅白饅頭屋などをおつまみに変えて渡すことが多くなったり、施主の方のアイディアであまり形にこだわった内容でなくても職人さん方は気持ちが伝わっていれば喜んでくれます。無理をせず、ご自身のできる範囲で準備すれば良いということを念頭に気持ちのこもった手土産を渡していただければと思います。