自分の大切な身内が亡くなった時にお葬式に参列していただき、香典をいただいた方には通常、お返しをします。香典に対するお返しとなる「香典返し」は簡単なようで色々とマナーもあるので、故人のために葬儀に参列いただいた方にはしっかりとしたマナーでお返しをしたいと思う気持ちは皆さん同じです。ここでは、「香典返し」に関する基礎知識や選び方、贈ってはいけないものなどをわかりやすくご紹介したいと思います。
香典返しの基礎知識
●香典返しはいつするもの?
香典返しはお葬式に参列していただき、香典を受けた方に当日または四十九日法要が終わった後にお返しをします。これは地域の風習や家の習慣などにより様々ですが、当日にお返しすることを「当日返し(即日返し)」、四十九日の法要が終わった後には「忌明け返し」などと言う名前でも呼ばれたりしています。これらは、頂いた香典に対しお礼をする「香典返し」に相当するものです。
●当日返し(即日返し)とは?
当日返し(即日返し)は葬儀の当日など、香典を受けた当日に返礼品を贈ることです。法要が終わり次第お渡しすることになるので、事前に大体の参列人数などを把握し、用意しておく必要があります。現在では葬儀社などがこのような返礼品を返却可能で用意してくれるセットみたいなものまでありますので、あまり大げさには考えなくても良いですが、事前の用意が必要となることをおぼえておきましょう。香典返しとしての品の金額の目安は、頂いた香典の半分「半返し」が目安となりますが、当日返しの場合はそれが難しいので、3千円前後の品を参列者の皆さんへ用意し、多くいただいた方へは後日お返しする「後日返し」を改めてすることが一般的です。
●後日返し(後返し)
以前はこの後日返しが一般的で、四十九日の法要の後、忌明けのご挨拶と思に香典返しをする「後日返し」(忌明け返し)などを、いただいた香典の半分を目安に用意してお礼状と共に送ることです。葬儀の際に当日返しをした方で、香典をそれ以上に受けた方へは半返しに満たなかった部分をさらにお返しします。
例:例えば当日香典を3万円いただき3千円分の当日返しをしている場合は1万円から1万2千円ほどの後日返しをします。
香典返しにはどのような品を送る?
香典返しには通常「消えてなくなるもの」を選ぶことが基本です。なぜかというと、「不幸をあとに残さない」という意味合いから来ています。飲料や乾物、日用品などが贈られることが多いですが、どのようなものが実際に選ばれているか見て見ましょう。
どのようなものが喜ばれる?
香典返しの中でも贈る側からももらう側からも支持されている物は、通常は自分で購入しないけれど、「もらってうれしいもの」言い換えると高級感があるものであったり、こだわりの品など普段の品より一つ上のものを贈られると良いかもしれません。例えばお茶やコーヒー、海苔などは良く贈られるものの中に入りますが、普段使っている物ではなく、なかなか手に入らない「限定品」であったり、その土地でしか手に入らないものであったりする「ご当地品」などは特にもらってうれしいものではないでしょうか。無難なところで行くと全国的に知られている名産品やブランドのタオルなどでもよいかもしれません。
返礼品の金額が多くなる場合は様々な商品がセットになったものや、近年ではカタログギフトなど受け取った方が自分で好きなものを選べるギフトなども人気です。
香典返しで贈ってはいけないものがあるって本当?
弔辞での香典返しでは贈ってはいけないものがあるってご存知でしたか?香典返しでは、お祝い事に贈られることが多いお酒や昆布などを避けるのが一般的です。「お酒」は神事を営む際のお供え物としての意味合いが濃く、香典返しの品物には不向きとされています。また、お酒(ビールなども含む)などの嗜好品は、慶事を連想させるという意味でも、不祝儀である香典のお返しには相応しくありません。その他には「四つ足生臭もの(よつあしなまぐさもの)」と呼ばれる肉・魚類は地域の風習や宗教上の理由から、マナー違反となることがあるため、念のため贈らないようにします。ただし、カタログギフトなどで乗っている場合で贈られた方がご自身で選ばれるという事は暗黙の了解で大丈夫なようですので、グルメ系のカタログギフトなどを贈る分には問題がありません。
香典返しには、いただいたお香典の半額程度の品物を贈るのがよいとされていますが、「商品券」などは金額が露骨に分かってしまいますので、こちらも控えるべきであると言えます。
最後に
香典返しは頂いた香典の半額程度のお返しをするという事と、贈ってはいけないものをわきまえて選ばれれば、その他の決まりは特にありません。香典返しを贈る際には、お礼状なども添えて贈ると受け取られた方も、あなたの伝えたい感謝の気持ちがさらに伝わるのではないかと思います。