スポンサーリンク



香典返しに「お茶」が選ばれる理由

香典のお返しに贈られてくるものでお茶といえば定番の品の一つです。なぜお茶が香典返しの品として多く選ばれているのかと感じている方は多いかもしれません。昔からお茶は仏教と深い関係にあるとされており、お茶を贈るという事にはそれなりの理由ようです。 ここではそんな「お茶」が選ばれる理由やなぜ香典返しにふさわしいのかなどをご紹介したいと思います。

香典返しとは?

香典返しとは、通夜や葬儀などで、香典を頂いた方に対して、四十九日法要(忌明け法要)を無事に終えた忌明けの報告をすると共に、感謝の気持ちとお礼として、品物を贈ることです。香典返しは基本的には消え物(食べたり使ったりしてなくなるもの)を贈るようにします。そして香典返しでは基本的にお祝いに贈られることが多い品(お酒や昆布など)や四つ足生臭もの(よつあしなまぐさもの)と呼ばれる肉・魚類は地域の風習や宗教上の理由や、相殺をイメージさせる為、香典返しの品にはふさわしくありません。

香典返しにお茶が選ばれる理由は?

葬儀や法要に参加した方にも、よく振舞われる「お茶」。地方の習慣などにより理由は様々のようですが、なぜ「お茶」が選ばれるのかには、理由があります。なぜお茶が多く選ばれるようになったかをまとめてみました。

●仏教との深い関係

その昔、日本が中国の僧侶を招いた際に、その僧侶が万病に効く薬として日本に持ってきたのが、「お茶」といわれています。そして、その僧侶たちが仏壇に毎日、健康を守ってくれる感謝の気持ちとしてお供えをしていた献茶(けんちゃ)がその後、日本の上流階級から庶民の間にまで広まったことで、「仏事にはお茶」ということが定着しています。これが由来と考えられ、仏事の香典返しの品物として多く選ばれるようになっているようです。

●境界を区切るとされる「お茶」

お茶の木は古くより、畑や土地の境界線に植えられることが多く、「お茶の木を越えたら、よその土地」という目印になっていることが多かったりすることからお茶には、「境界を区切る」という意味があります。そのため、故人とお別れをするためにお茶を飲みあの世とこの世の境界を区別してお別れするという意味も込められているのかもしれません。また、お茶は葬儀や法要などで振舞われ、参列者たちに飲まれます。お茶によって「境界を区切る」だけでなく、「境界を越える」ことで、参列した方同士が親しい間柄になるとも言われています。現在でも仲良くなりたい人を「お茶に誘う」、仲良しの友達は「茶飲み友達」などとも言うように人とのつながりの境界を表す言葉ともなっているのは面白いですね。

●忌を払う

「お茶により煩悩を除き、神や仏の助けにより極楽浄土に還り、忌を払う」という昔からの言い伝えがあり、それにより香典返しや引き出物などにお茶を贈るという習慣が続いているという事もあります。

●相手の健康と故人を偲ぶ

お茶は葬儀や法要などで振舞われることが多く、参列者たちはお茶を飲みながら故人を偲んだりすることが多いという事で、お茶を贈り故人の事を偲んで頂けたらという想いも込めてお茶を贈ります。そしてお茶は中国の僧侶から万病薬として、日本に伝えられ広まったものです。「茶は養生の仙薬なり」と言われるように、昔から長寿の秘訣として、飲まれてきました。このことから、相手の健康を思う贈り物としても、香典返しの品物に選ばれていると言えるでしょう。

●香典返しとしてふさわしい

香典返しでよく選ばれる品物は、葬儀のお返しものとして贈られた品は手元に残らないほうが良いといったことから、飲食料品や生活消耗品といった、食べたり、使ったりすることで無くなる「消えもの」が一般的です。お茶も飲むことで消費できる「消えもの」とされています。また、お茶は好みにあまり左右されないため、様々な年齢層の方に贈る香典返しにも最適です。もし、お茶が好みでない方に贈る場合でも、来客用のお茶として出すことができるため、重宝されます。その他お茶は通常袋に入ったもので約半年、缶に入ったものであれば約1年の長期保存が可能です。日持ちがするという点でもお茶は送った相手にも喜ばれる理由の一つであると言えるでしょう。

最後に

最近ではお茶と同じ飲料品として「コーヒー」や「紅茶」などお茶を飲む機会の少なくなった若い方などには贈り物として好まれる傾向にあります。送る側も一つ一つ包装がされていることが多い事などから、会社など、みんなで分けていただくことが可能であったり、賞味期限が長い事でも重宝されます。 お茶には故人を思ったり、贈る相手の健康を思ったりする人の心が入った贈り物ですので、香典返しの定番となっているという理由があることから、今後贈り物をされる際にもこのお茶はやはり外せないものの一つになるのではないかと思います。

スポンサーリンク