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密葬・家族葬におけるお通夜の流れと 通夜をしないという選択とその理由

密葬・家族葬は、家族や親族、親しい友人など、故人と親しい人たちだけでお別れをする葬儀ですが、お通夜に関してはどうでしょう?葬儀のスタイルは一般葬と変わりはありませんが、お通夜に関しては現在の住宅事情もあり、マンションなどでは自宅ではお通夜が行えないという事で故人のご遺体は病院などからそのまま斎場へ行くことも多くなっておりお通夜自体の流れなども変化してお通夜を行わない葬儀も選択の一つとなっています。そんな密葬・家族葬でのお通夜の流れやお通夜をしないという選択に関してご紹介したいと思います。

密葬・家族葬におけるお通夜

一般のお通夜と密葬、家族葬におけるお通夜の流れというものは同じですが、一番の違いは参列する人数の規模です。密葬・家族葬ですと親族などの故人に縁の深い人々のみの参加となりますのでお通夜の時間が通常より半分ほど、もしくはさらに短くなります(お焼香の人数が少ない為)。通常通り僧侶に読経をしていただき、その最中に焼香をする流れは同じです。そして、お通夜が終わった後の通夜振る舞いを親族などの少人数で簡単に済ませる、または、密葬・家族葬の場合は省略する場合もあり、生前の故人の遺志、または喪主の方の意向で決定されます。

お通夜をしない事を選択する密葬・家族葬

元来のお通夜とは故人の現世での最後の夜を身近な人や親しい人々と共に故人の生前の思い出を語り合う事でした。そしてお通夜の晩は線香やろうそくを絶やさないように遺族が故人のそばに付き添うという習慣がありましたが、実は医学の発達がまだそれほど進んでいなかった時代には出棺までに故人が生き返るという事もありましたので、故人が目を覚ますかもしれないという事を願ってろうそくやお線香を絶やさずに蘇生を願いながら故人の生前の思い出を語り合ったりする一夜でした。しかし、現在では都心部に住む方やマンションに住んでいる方などは自宅へ故人を連れて帰ることが難しいことが多くなり、病院などからそのまま斎場へ運び、お通夜から葬儀までを行うケースがとても多くなっています。最近の斎場では防災上の理由などから24時間の付き添いが出来なかったりするところが多いので、故人との最後の一晩のお別れも出来ないことが少なくありません。そんな中、「寝ずのお別れ」も出来ない少人数で形式だけお通夜をするのであればお通夜をしない選択をし、告別式と火葬だけの葬儀をする遺族も増えています。

元々の仏教での通夜の意味は、故人の成仏を祈ることではなく、故人の現世での最後の夜を、親しい人々と共に、故人の思い出を語り合うことだったそうです。そんな原始仏教が中国に亘り、日本に伝わる頃は通夜の意味が変化し、線香やろうそくを絶やさず、「親族が一晩中起きて遺体を守る」風習に変わったそうです。これは当時遺体の腐敗防止技術が未熟であった為、腐敗臭を香を焚いて消す意味もあったとされますが、一晩中故人の魂を呼び戻す祈りを捧げる為、という意味もあるそうです。現在ではドライアイスやエンバーミングなど、腐敗防止技術が進み、遺体から腐敗臭がすることはまずありませんが、今でも密葬や一般的な葬儀の通夜では、線香やロウソクを絶やさない習慣は続いているようです。通夜では、僧侶の読経の中、焼香をした後、僧侶から故人を悼んでの法話・説教があります。その後、通夜振る舞いの席で食事を共にしながら、故人の冥福を祈りつつ、故人の思い出を語り合います。

密葬・家族葬でお通夜を行わない理由

●斎場でのお通夜となるため「寝ずの番」が出来ない

密葬・家族葬に参列する方々は、家族や親族など身近な人たちとなります。そのため、「寝ずの番」が出来ない。「一般の参列者がいない」のであれば、お通夜を行わないという選択をする遺族が増えています。

 

●親族の都合が合わない

故人の家族や親族が、遠方からくることが難しかったり、親族の都合でどうしてもお通夜と告別式に参列できない、などあまりにも参列者が少ない場合に、お通夜を行わず、告別式、火葬のみで済ませる場合があります。

●高齢の参列者が多い場合

高齢の参列者が多く、お通夜と告別式2日間来ることは難しいなどの場合、お通夜を行わないで告別式のみにする場合があります。

●葬儀の費用を抑えたい

お通夜にかかる費用を抑えたい場合に、お通夜を行わない選択をすることがあります。お通夜を行わないことで、お通夜の際の僧侶のお布施やお通夜の食事(通夜振る舞い)、人件費などの費用を抑えることが出来ます。斎場使用料や祭壇などの費用は告別式の前日より用意しますので、費用は変わりません。

最後に

故人が生前に自分で葬儀のスタイルを決めることも多くなっていますが、遺族が葬儀を行う上で考えなければならないことは、故人や遺族が望んでいる想いにかなっているかどうかが大切になってくると思います。ただ単に費用を抑えるだけの葬儀で親族は納得してくれるのか、またはシンプルに余分な事はなしで故人と縁の深い方が集まり故人を偲んでお別れをするのかなど、お通夜をするかしないかで悩んだときは、一番に何を重要視するのかを考えて遺族と親族などで相談し、決定されることが良いのではないかと思います。

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