自分の家が喪中期間中に子供のお祝い事があった際、または結婚や出産などがあった時にお祝いをいただいた場合、お礼の内祝いはどのように贈るべきか、または喪中期間中である親戚や友人などに内祝いは贈っても良いのか、というのはとてもセンシティブな問題なので、どのようにしたらよいのか悩むものです。ここでは、自分の家が、または内祝いを贈る相手が喪中期間中の内祝いの品の贈り方やのし紙のマナーなどをご紹介したいと思います。
喪中期間とは?
まず初めに喪中とは、自分の身内に不幸があった際に、親族が故人の死を悼みある一定の期間を自発的に喪に服すことをいいます。現在では慶事を慎む期間として使うことが多いですが、実際の喪中期間とはその人の悲しみの深さにより長くもなりますし、短くもなります。一般的には一年とされることが多いようです。
忌中期間とは?
忌中とは自分の身内に不幸があった際に、親族が喪に服し、身を慎む期間とされています。昔の人々の考えにおいては、死は穢れ(けがれ)とされ、この穢れは伝染して新たな死者を出すと考えられていました。伝染病が流行っていた時代などはまさにその考えと一致します。その為、死者を出した身内のものはある一定の期間は喪服を着て喪に服し、死の伝染を防ぐために外出してはならないとされていたのです。
現在ではその意味合いは徐々に変化し、忌中期間中にはお祝い事や派手な場所への外出を控えるなどの習慣が残っており、学校や会社などでは忌引きがあり、葬儀の際などに学校や会社を休むことが認められています(学校や職場により規定は様々です)。一般的に忌中の期間は個人が亡くなってから四十九日の法要(忌明け法要)を終えるまではお祝い事や宴会、派手な場所での集まりなどは控えるようにすることが故人及び相手の方への配慮となります。
自分が喪中の時は内祝いを贈っても良いの?
相手の方からお祝いをいただいた後に自分の身内が亡くなった場合には、内祝いのお礼は最低でも故人の四十九日が過ぎて喪中期間に入ってからにするようにします。通常のお祝いのお礼として贈る内祝いは、頂いてから1ヶ月以内頃までには相手の方に届くように贈りますが、お礼の内祝いを贈る前に自分の身内に不幸があった場合は、時期をずらして忌中期間(四十九日)が過ぎてからお祝いをいただいたことに対するお礼と、感謝の気持ち、そして「忌中期間中であったためお礼が遅くなってしまい失礼しました」などと一言手紙やメッセージ贈るようにすると相手の方もお礼が贈れてしまった理由を理解してくれるでしょう。
どうしても自分の悲しみの気持ちが忌明け後すぐに良くならない場合は、まずはお礼状を相手の方に出し、「現在喪中期間中ですので、喪中が開けてから改めてお礼をさせていただきます」などの内容で先に感謝の気持ちとお礼を記載し、別途お礼の品を贈りますという内容でまずは手紙を贈る場合もあります。
相手の方が喪中の場合は内祝いを贈ってもよいの?
内祝いを贈る相手が喪中であるとき、まずは状況を確認し、相手の方にとって誰が亡くなったのか、そして四十九日が過ぎているかを確認してから内祝いの品を贈るようにします。相手によっては喪中にお祝い事の贈り物をするのは非常識と感じてしまう方もいますので、そのような時は時期をずらして喪中が過ぎてから渡す場合もあります。そのようなときは贈り物に手紙やメッセージを添えて「○○さんが喪中(忌中)のため時期をずらして品物を贈らせていただきました」などと一言遅くなった理由を書くようにします。
喪中の際に贈る内祝いの のし紙と表書き
自分、もしくは相手の方が喪中の場合、注意する点は、のし紙は水引なしの「無地のし」または熨斗鮑(のし紙の右上についているカラフルな飾り)なしのものを使います。表書きも「内祝い」ではなく「御礼」とします。できるだけ「祝」などの漢字は使わず、あくまでもお祝いのお礼として贈るようにします。
のし紙:水引なし無地のし
表書き:御礼
贈り主:のし紙表書きの下段にフルネームで
相手が喪中の際に贈ってはいけない品はある?
相手の方が喪中の際の内祝いの品に関しては、特にこの品はダメというものはありませんが、一般常識として贈り物で贈らない方が良いとされる刃物やハンカチ、緑茶や櫛などは避けて贈るようにしましょう。その他、赤と白の紅白でおめでたい感がある物もできるだけ避けた方が無難です。相手の気持ちを考えて内祝いの品を選べば間違いないのではないかと思います。
・ハンカチ:手巾(てぎれ)と書くため縁を切るという意味があります。
・刃物:ハサミやナイフなどの刃物は関係を断ち切るなどの意味があります。
・緑茶:葬儀など弔事の際に贈られることが多い為、縁起が良くないと感じる方が多くいます。
・櫛:苦・死という語呂合わせから死や苦を連想させる意味があるためです。
最後に
喪中期間中の内祝いに関しては、贈る側も受け取る側も細心の気遣いを要する贈り物となることがあります。相手の気持ちを十分に察して渡す時期などを注意するようにしてあくまでもいただいたお祝のお礼として贈ると良いでしょう。その際はあまり派手な包装などのものではなく落ち着いた色や包装の贈りものを選ぶと相手の方に失礼になることもありませんのでできるだけ気を使って贈るようにしてみてはいかがでしょう。