今までお世話になった方や友人が退職や転勤するとき、または親戚の子供などが海外へ留学や転勤するなどというときに金銭や贈り物を渡したりすることがあります。そのようなときに贈る金銭や贈り物のことを「餞別(せんべつ)」といいます。この餞別とはどのような意味がありどのようなシチュエーションで贈るのか、そして相場はいくらくらいなのか?と聞かれると、実のところあまり詳しくわからないという方は多いかもしれません。ここでは、その餞別の意味や相場、どのようなシチュエーションのときに餞別を贈るのかなどをご紹介したいと思います。
餞別とは?
餞別とは、今までお世話になった方との別れの際、新しい門出の際に金品や品物を贈ることをいいます。餞別の「餞」は「はなむけ」と読むことができ、昔旅に出る人の道中の安全を祈って、馬の鼻を目的地に向けて見送る習慣があった事などから「馬の鼻向け」という言葉の鼻向け(はなむけ)が餞(はなむけ)という言葉をあてて「餞別(せんべつ)」という言葉、意味になり、遠くに旅立つ人へ、新しい門出を祝って贈る金品や品物のことをいうようになりました。
餞別はどのようなシチュエーションのときに贈る?
餞別(せんべつ)にはさまざまなシチュエーションがありますが、わかりやすく分けると3つのグループに分けることがでます。一つは会社などで転勤や退職、海外赴任などに贈る場合の餞別。二つ目は旅行や海外留学などでのお小遣い的な餞別。3つ目は産休や引っ越しなどの会社を一時的に長期で休む場合や仲の良い方などが新しい場所に引っ越しをするなどの嬉しいお別れの際に贈る餞別です。どれもまさに「馬の鼻向け」という意味で「はなむけ」の意味を込めての選別となります。
餞別は現金?それとも品物?
餞別というと一般的には現金を贈るという感じがしますが、実は現金でなくてはいけないということはなく、品物を贈ることもあります。特に会社での転勤や退職、海外赴任などの際には、お花や記念に残るような品、これからの新しい場所で使ってもらえる品などを贈ることも多いです。反対に旅行や海外留学、産休や引っ越しなどの場合は現金を渡して現地での滞在の足しにしたり、産休の場合であれば、赤ちゃんが生まれてくるまでに必要なものをそろえる足しにしてほしい、引っ越しであれば、新しい環境で必要なものを購入する足しにしてほしい、などという想いを込めて餞別を贈ることが多くなります。
但し、現金を贈るにはマナー違反となるケースもあります。それは目上の方に対して個人的に贈る餞別です。目上の人に個人で金を贈るということは、「相手の方がお金に困っているから」というニュアンスにとられてしまう事が多く、マナー違反となります。目上の方が出産や旅行で餞別を渡す際には現金ではなく何か喜んでもらえる品物などを送るようにしましょう。
シチュエーション別 餞別の相場
●退職・転勤
退職や転勤に関しては餞別を贈る方の勤続年数や会社の習慣、お付き合いの程度などによって変わってきますが、一般的には会社の部署や同僚などとの連名で贈る場合は人数などにもよって変化しますが、各個人の相場は5百円から3千円程度で、総額1万円から3万円程度を集めて現金を贈ったり、ご本人の記念に残るようなプレゼントを贈ったりします。自分が上司として個人で転勤の選別などを包む場合は5千円から1万円程度が相場と考えて贈れば恥ずかしい思いなどをすることがないでしょう。
●海外赴任
こちらも餞別を贈る相手との関係や親密度などにより変わってきますが、連名で贈る場合の各個人の相場は5百円から3千円程度で、総額1万円から3万円程を集めて海外の赴任先で使ってもらえるものや現金を選別として贈ります。個人で親しかった方に渡す場合などは3千円から5千円程度で現金ではなく餞別の品として海外で使ってもらえるような品をプレゼントしたりすることが多く、特に親しかったりお世話になった方などの場合は1万円を現金で包んだり、現金プラス餞別の品を贈ったりするケースもあります。親戚や家族などから餞別を贈る場合は1万円から3万円などとその家の習慣などにより異なってきます。
●旅行
友人や親戚に個人で渡す旅行の餞別の場合、相手の年齢や行き先にもよりますが、3千円から5千円程度で旅先でのお小遣い程度で渡すと良いでしょう。連名で渡す場合は個人の相場は5百円から3千円程度で良いでしょう。自分の両親や子供が海外などに旅行へ行く際には1万円から3万円程度渡すこともあります。旅行の場合の選別は旅先で役立ててもらえるよう現金で渡すのが通常です。
●留学
留学の場合、短期での留学なのか、長期での留学なのかでも変わってきますが、短期の場合は旅行の場合と同じ程度と考えてよいでしょう。長期の場合は留学先で何があるかわからないということもありますので、家族や親戚などの場合金額は少し多めになると考えると良いでしょう。友人として餞別を贈る場合は現金ではなく、留学先で必要となるようなものを連盟や個人で購入して贈ると喜んでもらえます。
ただし、持って行くことができる荷物に制限があるので、あまり荷物になるようなものは避けるのがマナーです。子供への留学への選別の場合1万円から3万円、親戚への相場は5千円から2万円程と考えておくと良いでしょう。各家の習慣などもありますので、必ずしもこの金額でなくてはならないということではありません。
●産休
職場の同僚が産休に入るときなどには餞別というよりは安心して赤ちゃんを産んでもらえるように贈る品と考えると良いでしょう。プレゼントを選ぶ際の相場は個人の場合3千円から5千円位で、連名で贈る場合は各個人5百円から3千円程を出し合ってプレゼンを選ぶと良いでしょう。プレゼントを選ぶ際の注意点は生まれてくる赤ちゃんに贈る品ではなくこれからお産の準備をするお母さん(同僚など)に贈る品を選びことです。お勧めはリラックスできるような品やルームシューズなど、自宅で使ってもらえる品がよいでしょう。
●引っ越し
相手の方が新築などで引っ越しをする場合の餞別は相手の方との関係などにもより変わってきますが、個人で贈る場合3千円から5千円位、職場などで連名で贈る場合は各個人5百円から3千円程度で総額1万円から3万円程度を新居で使ってもらうことができる品物または現金で贈ると良いでしょう。引っ越しの場合の品物は相手の方の好みなどとあるため、品物を贈ろうと考えている場合はカタログギフトなどにして好きなものを選んでもらえるようにするなども喜ばれる贈り物のアイディアの一つとなります。
最後に
餞別とはあくまでも新しい生活や門出を祝って贈る品ですので、あまり高額な金額を渡しすぎても相手の方が気を使ってしまうことになります。相手の方に失礼にならない程度の金額を一般的に妥当といわれている金額の相場をご紹介していますので、参考にして贈ってみてはいかがでしょう。